店情報はほぼ無し! スパイス使いと色彩の美しさで魅了する二つ星シェフの秘密の店
コースの〆はシェフのルーツを物語る特製カレー
「カレーは子どもの頃に食べていた味が好きという持論があって、僕の場合はスパイスがちょっと利いた甘口です。干しぶどうとタマネギのフライをのせるというのもどこかで食べたおいしさが忘れられなくて」と入江さん。本日は「アイリッシュグラスフェッドビーフ」のカレー。和牛とは違いコクはありますが軽い仕上がりです。最後に目の前ですり潰したスパイスをひとさじ。香りが食欲をそそります。
味変にはモルトウイスキーの聖地の一つ、スコットランド・スペイサイド地方の「アベラワー」を数滴。本日のカレーには蜜や花のような香りのするこちらをチョイス。途端に華やかな香りに包まれ、ルーもまろやかに。カレーにウイスキー、これはハマります。
「若い頃はこういう料理を作りたいとか、星を獲りたいとか自分の目標に向かって邁進していましたが、40歳を過ぎた今は自分の料理で楽しんでもらえたらという気持ちが強くなりました」と語ります。すべての皿はフランス料理がベースになっているもののスパイスを自在に操った新感覚の味わい。カテゴリーに分ける必要などない、素直に“おいしい”と言える入江さんの料理に魅了されるのです。
EPICOUL
住所 : 東京都港区西麻布2-25-31 クオーレ西麻布 2F NO CODE ※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。
文:高橋綾子、食べログマガジン編集部 撮影:溝口智彦