PFAS問題「フェードアウト、となるとありがたい」市職員が防衛省へメール 「多忙極め…」釈明
岐阜県各務原市の水源地から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出された問題で、市が2023年10月に防衛省東海防衛支局に送ったメールに「そろそろこのネタもフェードアウト、となるとありがたい」と記載していたことが、12月に開かれた市議会定例会の一般質問で取り上げられた。市は答弁で「(職員が)個人的な思いをメール上でつい吐露した」と釈明した。 岐阜新聞社が情報公開請求で入手した市の開示文書によると、23年10月16日に当時の市環境室長が東海防衛支局施設企画課の課長補佐に送ったメールには、PFASを巡る報道機関の問い合わせ状況や沈静化を期待する内容が記されていた。 一般質問では、杉山元則議員が「組織全体の認識の甘さからそのようなメールを送り、市長の意向を表しているのではないか」とただしたのに対し、岩井健環境室長は「通常業務に加え、多くの事務が日々生じ、職員は多忙を極め、心身ともに大きな負荷がかかっていた」と答弁。その上で「忙しい状況を脱し、落ち着いた環境で業務を進めたいという個人的な思いを吐露したと、当時の担当者からの聞き取りで確認した」と述べた。 市は20年11月の水質検査で国の暫定目標値の超過を把握したが、23年7月下旬になって公表し、市民や報道機関からの問い合わせが相次いでいた。 (松田尚康)
岐阜新聞社