みさき公園・南海最後の夏は入園料100円に 台風被害で今夏プール閉鎖で担当者「『水いらず』で楽しんでほしい」
南海電鉄は24日、大阪府岬町で遊園地と動物園を併設する「みさき公園」の入園料を夏季限定で大人・こども共に100円とすることを発表した。昨年の台風で「ぷ~るらんどRiO」が甚大な被害を受け膨大な修繕費用がかかることや、2020年3月末で同電鉄が同公園の事業から撤退することなどから今夏のプール営業ができず、期間限定の入園料100円に踏み切った。 【拡大写真付き】西日本最古のジェットコースターはメンテナンスもしっかり、今も大人気だ
売店の屋根飛びプール損傷、2020年南海の事業撤退なども影響
同園によると、昨年8月末の台風20号による大雨・強風の影響で、プールの施設に被害が出て例年より早くプールを閉園。同9月の台風21号ではプール敷地内の売店の屋根が飛び、プールの一部を損傷した。 「台風が去った後、プールには周囲の木が沈んでいたりもして、大変な状況でした」と広報担当者は振り返る。修繕には多額の費用がかかる。 また、南海電鉄は2020年3月をもって同公園の事業を撤退することを今年の3月に発表し。今後の方向性がわからないことなどから、今年のプールの営業中止を決めたという。
例年、夏期営業時の入園者の8割はプール利用者だった
しかし、例年、同公園の夏期入園者の8割は、プールを利用している。「そのプールの営業がないとなればどうなるのか」と職員らは考え会議を重ね、6月28日から9月1日の夏期営業期間は通常大人1350円・子ども700円の入園料を一律100円にすることを決定した。 広報担当者は「夏期営業時は、営業時間も午後6時まで(通常は同5時まで)となります。ナイトズーなども開催するので、ぜひいらしてください」と明るく話していた。
プール営業できないことを逆手に「水いらず」キャンペーン
みさき公園は1957年に開園し、動物園と遊園地を併設。南海本線・みさき公園駅もあり、大阪や和歌山のファミリー層を中心に人気を集めてきた。 1987年には「ぷ~るらんどRiO」を開設するなどし1989年度には年間来場者が72万人を記録したが、近年、年間来場者数は減少傾向が続き、2017年度は約36万人となり、長期にわたり営業損益の赤字が続いていた。再建策を検討してきたものの、事業継続が困難と判断し、南海電鉄は2020年3月31日をもって事業撤退を決めている。 今年はプール営業が上記の理由などでできなくなったが、それを逆手にとったキャンペーンのキャッチコピーは「夏の『水いらず』キャンペーン、『親子水いらず』」とし話題を呼びそうだ。 担当者も「思い切ってやってみました。一人でも多くの人に来ていただければ」と気合十分。南海の事業としては最後の夏となるが、職員の熱意はいつもと変わらない。 創業62年となった大阪の老舗遊園地・動物園が、どのように盛り上がっていくのか注目だ。