【大鶴義丹　やっぱりOUTだぜ！！】 10月14日から、東京・赤坂サカスのTBS玄関前に紫テント劇場を建てて、新宿梁山泊の芝居「ジャガーの眼」を公演している真っ最中だ。ありがたいことにチケットもほぼ完売状態で、お客さまからの熱い声もたくさんいただいている。この作品を主演するのは2回目であり、当然、この作品に対する特別な思いがある。 この作品は1985年に、父・唐十郎が作演出・主演を務めたもので、この作品を境に父の劇団は解散に向かい、劇団の看板女優であった母とも離婚する。いろいろな意味で因縁めいた作品である。 また、父はこの「ジャガーの眼」を最後に、意図してか、意図せずかは分からないが、戯曲の作風を徐々に変えていく。 その時期、私は10代後半の多感な時期で、いや応なしに翻弄された。そして何かにあらがうように芸能界へと入っていく。 芸能と人間の実生活というのは、どちらが卵でどちらがにわとりかは分からないが、多くの部分が歯車でつながっているのだろう。 そんな昔を振り返りながら、芝居「ジャガーの眼」に奮闘している今日、遠い国で1人の有名歌手が寂しく人生を閉じた。 英男性アイドルグループ「ワン・ダイレクション（1D）」。2010年のイギリスのオーディション番組から生まれた美少年たちの美声グループで、デビュー後すぐに世界的なヒットを連発して、37カ国でナンバーワンになり、いくつもの賞を総なめにしたスーパーグループである。 だが、現在は無期限の活動休止中。その手に疎いオジサンたちも、彼らの曲は日本の大手企業CMでも使われているので、聞けば「この曲を知っている」と言うはずだ。 そのメンバーの中でも人気があったメインボーカルのリアム・ペインさんが10月16日、アルゼンチンのブエノスアイレスのホテルから中庭に転落して死亡した。31歳だった。 彼は年上人気歌手のシェリルと離婚後に、すぐに大富豪の孫で有名モデルと婚約をしてすぐに破局した。また23年には、持病から南米のソロツアーをキャンセルするなど、不安定な状況であったことが背後に垣間見える。 自殺の可能性もあると報じている海外メディアもある。何年か前に、彼らのドキュメンタリー映画「ワン・ダイレクション　THIS　IS　US」を観て、想像を絶するスケジュールと彼らの努力に言葉を失った。