元横綱・曙太郎さん死去 東海地方とも深いつながり きんさんぎんさんと親交も
大相撲・元横綱の曙太郎さんが亡くなっていたことがわかりました。土俵を降りれば、名古屋のきんさんぎんさんと交流するなど、親しみやすい人柄で、この地方でも大人気の横綱でした。
幕内優勝は11回 大相撲ブームの中、初の海外出身横綱に
ハワイ出身の第64代横綱・曙太郎さんが11日、亡くなっていたことが分かりました。54歳でした。 曙さんは、1988年の春場所で初土俵を踏むと、その2年後には新入幕。巨体を生かした取り口で勝ち星を重ねるスタイルで、1993年の初場所後には外国出身力士として初の横綱に昇進しました。数々の名勝負を繰り広げ、2001年に現役引退。関係者によると、2017年に心不全で倒れ、闘病生活を送っていたということです。
幕内優勝は11回。そのうち2回は名古屋場所でした。当時は、若乃花・貴乃花の若貴兄弟に武蔵丸、そして曙と、4横綱が並び立ち、大相撲ブームのまっただ中。初日から13連勝をして賜杯を勝ち取った2000年の名古屋場所は、曙さんにとって19場所ぶりという長いブランクを経ての優勝でした。 「いい時があれば、つらい時はもう全部忘れた」 優勝を決めた際のインタビューで、こう語った曙さん。故郷ハワイから遠く離れた地で、懸命に取り組む姿を見せ続けてくれました。
1997年の名古屋場所の前後には、一日警察署長になってビラ配りをしながら、街の人と気さくに触れあう様子も。
1993年には三重県・鳥羽水族館でのイベントに登場。そこへ曙さんと一緒に登場したのは、名古屋のスーパー双子、きんさんぎんさんです。100歳の双子として人気だった二人は、横綱・曙の大ファン。結婚式にも駆けつけるなど、交流があったといいます。 そんな二人の応援も受け、務め上げた横綱。多くの人が、その相撲に魅了されていました。
行きつけの飲食店には今でも手形とサインが…
11日、今年7月に開催される名古屋場所の準備状況を報告するため、大村知事を表敬訪問していた出羽海親方。横綱時代の曙さんとの取り組みを思い出し、長い手足を生かした相撲に全く歯が立たなかったと話しました。 出羽海昭和親方: 「気遣いをしてくれる優しい力士でした。こんなに早く亡くなると思わず、びっくりしておりますが、心からご冥福をお祈りしております」