ランチア初EVの新型イプシロンが正式デビュー直前に先行公開、日本再上陸に期待
不遇の時代を乗り越えた名門復活の第一弾
2024年2月2日(現地時間)、イタリアのランチアはブランド初のEVとなる新型「YPSILON(イプシロン)」の内外装を2月14日の正式発表を前にWeb上で先行公開した。併せて高級家具ブランドのカッシーナとコラボした「EDIZIONE LIMITATA CASSINA(リミテッドエディション カッシーナ)」の予約受付をイタリア国内のみ1906台限定で開始している。 【写真】華麗なる新型ランチア イプシロンの全貌を見る ランチアは1906年に創業したイタリアの名門ブランド。世界ラリー選手権での大活躍をご存じの世代には懐かしいが、ステランティスグループの一員となった現在はブランド内での車種整理により生産されているのはプレミアムコンパクトカーのイプシロンのみ。日本での販売は2014年に終了しており、往時を知るファンにはなんとも寂しい状況が続いている。 そんなランチアが復活の狼煙を上げたのは、2021年7月のこと。ステランティスグループでの位置づけが定まり、新たな中期経営/電動化計画「Dare Forward」の元にランチアブランドの再興が図られることが明らかにされた。イタリア本国だけでなく、欧州マーケットを中心に再びグローバルブランドとして集中的な投資が行われ、車種ラインナップも拡充されることが発表された。 その第一弾となるのが、2月14日(イタリア時間)に正式発表される新型イプシロンだ。現地ディーラーは早くも初期受注の獲得に乗り出しており、2月2日(同)よりWeb上で1906台の限定となる「リミテッドエディション カッシーナ」の受付を開始した。Youtubeでは内外装を露わにしたイメージ動画も公開されている。往年のファンはもちろん、スタイリッシュな内外装はトレンドに敏感な若年層にも大いにアピールしそうだ。
高級家具ブランドとのコラボレーションも
公開された限定車「リミテッドエディション カッシーナ」は、イタリアの高級家具ブランドであるカッシーナがインテリアのデザインやマテリアルの選定に深く関与したもの。品質、耐久性、循環型素材の使用、そしてイタリアンブランドならではの卓越したデザインは、コンパクトカーとは思えないほど上質かつユニークなものだ。 一方、エクステリアデザインは今後量産が始まるレギュラーラインとの大きな違いはないと思われる。そもそもランチアブランドはラディカルなデザインが魅力だ。ブランドの象徴である「カリス(聖杯)=Y」をモチーフにしたDRLを大胆に採用した個性的なフロントマスクは、昼間でも夜間でもランチアのクルマであることが一目瞭然である。 そして、リアエンドにはラリー界のアイコンとも言える「ストラトス」へのオマージュであるリング形のLEDライトが採用されている。その中にも横に寝かされた「Y」が追加されるなど、ブランドの主張は明快だ。