観光地にも着々 EV急速充電器の設置広がる
電気自動車(EV)の急速充電器の設置が全国で広がっている。急速充電器の主要規格「CHAdeMO(チャデモ)」の設置数は1967基(3月19日現在)と、2000を突破する勢いだ。EVは航続距離が課題の一つになっているが、急速充電器の需要が高い観光地でも設置が進み始めている。 国も充電インフラ充実などEV普及への環境整備を後押しする。経済産業省によると、急速充電器と普通充電器を合わせた設置数は、国の補助を受けた事業だけでも全国で約4000基だという。これを今年度末までに2万2000基、2015年度までに3万6000基に増やす計画をまとめている。 急速充電器の設置場所は、これまでは県庁など自治体の施設が中心だったが、今後はより利便性を高めるために、スーパーやコンビニ、ガソリンスタンドや高速道路などへの設置も強化していくという。充電にかかる時間は、急速充電器だと15分から30分程度で済むが、主に自宅用の普通充電器では4~7時間程度かかる。観光地などの出先では、急速受電器の充実が重要になる。
そうした中、富士急行(本社・山梨県)は4日、世界遺産登録を機に観光客が増える富士山の麓、河口湖駅に急速充電器を設置した。同駅は東京から約100キロの位置にあるが(日産リーフの一充電での航続距離は228キロ)、「航続距離の不安なくEVでの観光をお楽しみいただけるよう、より多くのEVユーザーの訪問と地域観光の拠点となることを目指す」という。河口湖駅周辺では、ほかに富士河口湖町の役場にも急速充電器が整備されている。 安倍内閣の「日本再興戦略」でも、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)の新車販売台数における比率を、2030年に15~20%まで引き上げることが盛り込まれている。経済産業省は「EVでのドライブ中にガス欠ならぬ『電欠』が起きないように、充電インフラの整備を進めていきたい」としている。