鈴木亮平と有村架純が兄妹役で初共演 直木賞作家・朱川湊人原作『花まんま』2025年劇場公開
第133回直木賞を受賞した朱川湊人の短編集『花まんま』(文春文庫)が、 2025年春に劇場映画として全国公開されることが決定した。 『花まんま』書影 タイトルの『花まんま』に因み、8月7日の語呂合わせが「はな(8・7)」と読める“花の日”に公開されたのは、本作の主人公となる大阪下町の兄妹を演じるふたりのキャスト。 鈴木亮平が、早くに亡くした両親との約束を守るため、たったひとりの妹の親代わりとして大阪下町で生きる熱血漢の兄・加藤俊樹役で主演を務める。鈴木は本作について「兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品」と話しており、演じた俊樹という役については、「ぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間」と評している。 また、「関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした」と自身に馴染みある言葉による表現にも期待が高まるコメントを寄せた。 俊樹の妹で、間もなくの結婚を控えながら、ある〈秘密〉を抱えるフミ子役には有村架純。本作について「ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて」と話す有村が演じるのは、奇妙な記憶と〈秘密〉を抱えた妹の役。劇中では兄・俊樹のことを「兄やん(にいやん)」と呼ぶが、初共演となる鈴木との現場について「兄やんとの日々はとても不思議でした。生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました」と振り返っている。 監督は、最新作『九十歳。何がめでたい』が公開中の前田哲。原作の映像化企画を長年出版社へ提案し続け、ラブコールが実を結んだ形となった。「ずっと心から離れない『大切な愛しい人を思い続ける』切なくも優しい物語を、映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました」と自身の思いを表すとともに、「初顔合わせのふたり、鈴木亮平さんと有村架純さんが、数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、スクリーンの中で存在しています」とキャスト陣の仕上がりにも自信を見せた。 また、原作の朱川湊人も今回の映画化に際して「原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです」とした上で、「存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私ひとりでは見ることができなかった『花まんま』です」と語った。 併せて、子どものままごとで作った“花のお弁当”を意味するタイトルアイテム「花まんま」を写し出したファーストビジュアルも公開。兄・俊樹、妹・フミ子の朗らかな表情と、「花まんま」を包む小さな手がまるでプレゼントを渡しているかのような印象的なショットとなっている。 <キャスト・スタッフ コメント全文> ■鈴木亮平/加藤俊樹 役 本作は、兄妹の絆はもとより、親と子、家族がそれぞれを強く思い合う姿を描いた胸に迫る作品です。 また、時代が変わっても僕たちが「結婚」というものに感じる不思議な感情の正体を、自分でも見つけてみたいと思って臨みました。 演じた俊樹はぶっきらぼうですが、誰よりも妹を愛する兄です。若くして両親を亡くしているので、大切な人に今日会えなくなるかもしれないということを誰よりも実感している人間です。 関西弁で演じるのは久しぶりでしたが、ネイティブの言葉で演じられることの喜びを改めて実感する、楽しい撮影期間でした。 同じ関西人である有村さんや前田監督ともたくさんコミュニケーションを取り合い、『花まんま』の世界を一緒に作り上げることができたと自負しています。 ■有村架純/加藤フミ子 役 ただ大切に思うそれぞれの心が可笑しくて温かくて。 兄やんとの日々はとても不思議でした。 生まれた時から一緒にいるような、本当なら無いはずの兄やんとの時間がそこにはありました。 花まんまが導く大きな家族の物語。皆さんに届くと良いなと思います。 ■前田哲(監督) 小説『花まんま』に出会ってから15年余りの年月が経ちます。 ずっと心から離れない「大切な愛しい人を思い続ける」切なくも優しい物語を、映画でも皆さまにお届けしたいと思い続けていました。 映画では小説にある小さな兄妹のその後も描いています。 初顔合わせのふたり、鈴木亮平さんと有村架純さんが、数十年も一緒に暮らしてきた本当の兄妹のように、スクリーンの中で存在しています。 撮影は春に実際の舞台となる近畿圏で終えて、今は仕上げの真っ最中です。 しばし完成まで、楽しみにお待ちください。 ■朱川湊人(原作) 私が書いた『花まんま』は80枚ほどの短編で、もともとは子供である俊樹とフミ子の物語でした。今回の映画化の際には、原作をそのままに生かしつつストーリーを膨らませ、見事に世界を広げていただきました。私の手が届かなかったところにまで気持ちが届いていて、原作者冥利に尽きるというものです。さらに存在感のある出演者の方々には期待が高まるばかりで、まさに私ひとりでは見ることができなかった『花まんま』です。 <作品情報> 『花まんま』 2025年春 全国公開