「投資信託は怖いけど債券なら安全」と考えている人は誤解をしているかも?
2024年から新NISAが始まり注目を集めている投資信託。 しかし、以前店頭などで勧められるままに投資信託を購入して損失を出してしまった経験がある方の中には、投資信託を敬遠し、より「安心」だと思える債券で運用する方もいます。 では、投資信託よりも債券のほうが本当に安心なのでしょうか? 実はそこには、いくつかの誤解も潜んでいます。ご自身に当てはまることはないか、購入する前に本記事を読んでチェックしてみてください。
なぜ債券のほうが安心と思われるのか
投資信託と比べて債券のほうが安心、と思われるのはなぜでしょうか。筆者の経験上見聞きした(誤解が含まれた)理由をいくつか挙げてみます。 ●理由その1:日々価格を気にしなくていいから。 投資信託の価格は日々変動する上、携帯アプリや証券会社のホームページを見ればすぐに分かります。そのため、人によっては価格変動に毎日一喜一憂したり、価格が下がり続けると不安で眠れなくなったりすることもあります。 一方、債券は満期まで持っていれば元本が100%で戻ってきます。日々の価格変動を気にしなくていいし、運用中はできれば放置しておくほうがいい、という方にとっては最適という考え方です。 ●理由その2:何に投資するか分かりやすいから。 投資信託のメリットの1つに、自分1人では難しい「分散投資」があります。つまり、投資対象を複数に分散することでリスクコントロールできる点です。 しかし一方で、投資信託の中には投資対象が先進国・新興国を含む全世界の株式に及ぶものもあり、自分がいったい何に投資しているのかが分かりにくい、ともいえます。 一方、債券は国や地方公共団体、会社などが資金調達のために発行する有価証券の1つです。購入する際は国債であれば日本政府、社債であれば「〇〇会社第〇回社債」など、自分がどこの何に投資したのかがひと目で分かりやすい。だから債券のほうが好ましい、という考え方です。 ●理由その3:満期が決まっているから。 投資信託には、定期預金や債券のように、いわゆる「満期」というものがなく、換金するためには原則としてその時の時価で売却する必要があります。その際購入時よりも価格が下がっていれば損失を被ります。 一方、債券は購入時に〇〇年〇月〇日というように満期が決まっています。どんなに先であっても、満期になれば投資した資金が元本割れすることなく満額で戻ってくるので安心、という考え方です。 それでは、次に上記3つの考え方について、それぞれ注意点を見てみましょう。