いよいよ「南水」登場 飯田下伊那生まれの銘柄ナシ JAみなみ信州【長野県】
JAみなみ信州は6日、長野県飯田下伊那地域が特産品とするブランド赤ナシ「南水」の出荷を始めた。例年より1週間ほど早く、昨年と同日のスタートで、飯田市と松川町の選果場で開始。初日は平均14・2度と糖度が高く、関東や関西、県内の市場へ送った。 この日は、飯田市、松川、高森町、豊丘村から集まった2・8トンを選果。選果場は果物の出荷最盛期を迎えており、すべてのレーンを稼働させて選果、箱詰め、出荷作業を進めた。 JA営農部によると、今季は春先の凍霜害がなく着果は良好。夏場の高温・干ばつで小玉傾向ではあるものの、日照時間がしっかりと確保できたことから糖度も上昇している。前年産を3・3%上回る825トンの出荷を見込み、今月20日頃をピークに10月5日まで続けて全国へ出荷する。 南水は1990年に高森町下市田の県南信農業試験場で開発された赤ナシで、和梨の中ではトップクラスの糖度があり、日持ちが長いのが特長。試験場の「南」の文字を冠している。 ブランド価値は年々高まっており、JAはナシの主力に位置づけて推進。生産者は見た目にもこだわり、キズや病害虫から守るために1玉ずつ袋をかけるなど丁寧な作業で仕上げている。海外の富裕層に高級ナシとして好まれていることから、JAは輸出にも力を入れている。 営農部果実柿課の牧野友宏さんは「生産者が手間をかけてつくり、甘くおいしく仕上がった。多くの人に産地自慢の南水を味わってほしい」と話していた。