ランクインしたライトノベル

　伝説のライトノベルシリーズ最新作がランクインしたRakutenブックスの週間ライトノベルランキング（11月11日～17日）。3位に入ったのが、谷川流による「涼宮ハルヒ」シリーズとして『涼宮ハルヒの直観』から4年ぶりとなる新刊『涼宮ハルヒの劇場』（角川スニーカー文庫）だ。 【画像】4年ぶりのシリーズ最新作となる『涼宮ハルヒの劇場』 　過去に「ザ・スニーカー」に掲載され、『S BLUE ザ・スニーカー100号記念アンソロジー』 (角川スニーカー文庫)に収録された短編や、文庫未収録の短編に加えて書き下ろしも入ったファン待望の1冊。この刊行を記念してクラウドファンディングも行われていて、TVアニメのエンディングで話題となったダンス映像を、新曲に乗せて見せてくれる新作MVが作られる予定。すでに目標金額の2.5倍が集まっており、ファンの熱量の多さが伺える。11月29日発売。 　10位に入ったのが、賀東招二「フルメタル・パニック!」シリーズの最新作『フルメタル・パニック! Family2』（ファンタジア文庫）だ。相良宗介と千鳥かなめが人類を巻き込むような壮絶なエピソードを経て結ばれてから20年後が舞台の「Family」シリーズ2作目。娘の夏美と息子の安斗をいれた4人家族が一家を狙う勢力との戦いを経ながら送るドタバタとした日常が描かれている。最新巻では宗介と同僚だったクルツとマオも登場し、どちらも変わらない性格でファンを楽しませてくれる。 　「ハルヒ」がクラウドファンディングの実施なら、こちらはスペシャルムービーを公開して長く続く人気をさらに盛り上げようとしている。夏美役を土屋李央、安斗役を結川あさきが演じていて、宗介役の関智一、かなめ役のゆきのさつきの“復活”とともにアニメ化への期待を誘う。それなら同時に『フルメタル・パニック!』シリーズのTVアニメもファイナルシーズンの制作を期待したいところだが……。 　ランキングの1位は、相変わらずの強さで衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ　2年生編12.5』（MF文庫J）が獲得。2年生最後の学年末特別試験が終わったクラスが春休みを迎え、最終学年となる3年生編へと突入するまでのエピソードで、ホッとしてばかりいられない展開を楽しめそうだ。11月25日発売。 　2位はトール『継母の心得5』（レジーナブックス）。子供が作れない体となった35歳の女性がガンで亡くなり、目覚めると漫画『氷雪の英雄と聖光の宝玉』の世界に転生していた。もっとも、転生したのは漫画の主人公が3歳だった時に父親が再婚した継母で、主人公を虐めていたというイザベル。前世の記憶を取り戻したことで子供を虐めるどころか溺愛するようになり、人生が変わっていく様子が描かれる。最新巻では夫の前妻と名乗る女性が現れ起こる騒動が描かれる。11月26日発売。 　4位は、TVアニメの5期となる『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ 豊穣の女神篇』が毎週ドキドキの展開で話題の大森藤ノによる『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 20　小冊子付き特装版』（GA文庫）。女神フレイヤが主人公のベル・クラネルを本気で手に入れようと動いた先で起こるシリーズ屈指の大展開を経て、ベルが迷宮都市オラリオに来た「学区」と呼ばれる一種の学園艦に潜入し、活躍を見せた後のストーリー。「学区」とオラリオとの間で持ち上がるお祭り騒ぎのような騒動を楽しめそうだ。12月15日発売。 　5位は佐島勤『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー9』（電撃文庫）。弱い魔法の力を持ったメイジアンたちを救済する組織「メイジアン・カンパニー」を拠点に世界を渡り歩いて、古代の魔法について調べていく司波達也の前に、国内の対抗勢力が現れ達也が属する四葉家に襲撃を仕掛ける。スリリングな魔法によるバトルが繰り広げられそうだ。12月10日発売。 　6位からはネット発で息長く続いている小説や、それを原作にした作品が並んだ。まず6位はRoy『神達に拾われた男 16』（HJノベルス）。中年サラリーマンの竜馬が転生して少年となり、前世の知識と神様たちの影響を受けながら活躍していくというストーリーで、最新巻では大樹海での冒険を終えた竜馬が呪術にチャレンジする様子が描かれそう。12月19日発売。 　7位は甘岸久弥『魔導具師ダリヤはうつむかない ～今日から自由な職人ライフ～11 小冊子付き特装版』（MFブックス）。男爵内定のお披露目を経たダリヤの忙しくも楽しい年末年始が描かれる。特装版には作者書き下ろし短編や公式4コマ『まどダリ』」「キャラクターデザイン」を収録した冊子が付く。11月25日発売。 　8位は、徒然花の小説を萩原凜のイラストで刊行中のシリーズを木野咲カズラがコミカライズした『誰かこの状況を説明してください! ～契約から始まるウェディング～ 10』（アリアンローズコミック）。貧乏貴族の令嬢だったヴィオラに舞い込んだ結婚話から始まるシリーズは、巻が進んである策略によって追い詰められたヴィオラを、結婚相手のサーシスが救出に向かう。12月12日発売。 　9位は、『わたしの幸せな結婚』が大ヒットし、TVアニメの第2期放送も2025年1月控えている顎木あくみの新シリーズ『宵を待つ月の物語 一』（富士見L文庫）。魔を退治する神祇官の一族として絶大な権力を振るっている社城家の遠縁として生まれた坂木夜花が、社城家の宴会に手伝いに狩り出されたところ、アクシデントで庭の池に落ちてしまう。そこに駆け寄ったのが時期当主候補として序列1位にある瑞李。1人の女性を一生愛し続ける「金鵄」としての運命を持つ彼が「僕の、つがい」といって手を差し伸べたのは、夜花といっしょに池に落ちた小澄晴という少女だった。 　シンデレラ的な出会いをいきなり外すイントロだが、そこから夜花の驚くような日々が始まる。時期当主候補の序列から外れているらしい千歳という名の少年が、夜花に手を差し伸べ自身の神祇官としての仕事を手伝わせ、社城家の離れに住まわせることまでする。千歳はいったい何者か？　夜花と晴の少女2人が共に遭遇したある出来事がきっかけとなって動き出した物語が、彼女たちをめぐる男たちの思惑も絡んでどこに向かうのかが気になるシリーズだ。