『VALORANT』新エージェント「クローヴ(Clove)」3月27日リリース決定…デスしてもスモーク展開が可能ほか、アルティメットでは自身が復活【先行プレイレポ】
ライアットゲームズはタクティカルシューター『VALORANT』の新たなコントロール型エージェント「クローヴ(Clove)」を3月27日(日本時間)にリリースすることを発表しました。自身が倒されたあとにもスモークを展開できるほか、アルティメットアビリティーでは自身が復活できるなど、これまでにないユニークなコントローラーとなっています。 【画像】活躍に期待!新エージェント「クローヴ」。 3月27日(日本時間)のリリースに先駆けて一足先にプレイする機会に恵まれたので、ひとつひとつのアビリティーについてみていきます。 ◆アグレッシブで攻撃的なコントローラー 「クローヴ」はトラブルメーカーであり、激しい戦闘の最中も、冷たい死を迎えたときすらも、敵に悪戯を仕掛けるようなパーソナリティを持ったスコットランド出身のエージェントです。「若き不死の存在」であり、死の向こう側からでさえ敵に疑念を抱かせ翻弄し、生ける世界への帰還は「いつもほんの一瞬のこと」であるとのこと。 特徴はコントローラーでありながら、倒れてもスモークが出せたり、アルティメットで一度だけ復活できたりと、アグレッシブで攻撃的なスタイルをより手助けするアビリティーがそろっているというところでしょう。 ◆ルース(E)150クレジット マップを表示し、「発射」でクローヴの煙幕の発生地点を指定する。「オルト射撃」で位置を確定し、煙幕を発生させる。煙幕は指定した地点の視線を遮る。クローヴはデス後もこのアビリティーを使用できる。 オーメンのようにクールダウン(30秒)式であり、デフォルトで1つ、購入でプラス1つ所持しているアビリティー。スモークの内部は空洞で、持続時間は約14秒。 ブリムストーンのように画面に表示されるマップを直接クリックして右クリック(Alt射撃)で展開します(つまり、展開できる範囲はプレイヤーを中心に限られている)。直感的にスモークを展開できるうえにクールダウンもあるため、初心者にとっては使いやすいコントローラーと言えます。 一方で、オーメンのような壁にめり込ませるタイプのワンウェイスモークは展開できない模様。アセントAメインやバインドAショートなど、箱や壁の上からのワンウェイスモークは可能です。 メドル(Q)250クレジット 不死のエッセンスの欠片を構える。「発射」で欠片を投げる。欠片は少ししてから爆発し、範囲内のすべての対象に一時的に「衰弱」効果を付与する。 フルアーマーフルHPの敵(そして味方)がアーマー1・HP59の計60まで、およそ4秒間有効な衰弱効果を与えます。範囲はスプリットのベントひとつぶんくらいとかなり大きめ、壁などを貫通するため、アセントのAアンダーなど、局所的なリテイク時にも有効です。 ピック・ミー・アップ(C)100クレジット クローヴがキルまたは事前にダメージを与えていた、倒れた敵から生命力を吸収する。移動速度が増し、一時的な増加体力を得る。 レイナのデバウアーのようですが、一時的に最大100のHPが追加されるのみ。効果時間が終了すると元のHPに戻ってしまいます。移動速度は気持ち程度。二人目以降との一時的な撃ち合いが対等になるといった印象です。 ノット・デッド・イェット(X / ULT)7ポイント 倒された後に「発動」すると復活する。復活後、一定時間内にキルを奪うかダメージアシストを行わなければ、クローヴはデスする。 発動すると数秒の無敵時間ののちに復活できます。一定時間内にキルかダメージアシストを入れる必要がありますが、スパイク設置後の解除遅延や、無敵時間を活かした「もう一回」の戦闘を実現。また、エントリー時に倒れてももう一度最前線から復活できるという強みがあります。 オーメンよりもスモークのクールダウンが10秒短く、同時に展開ができるというスモークとしての強さがあるうえ、局所的なエリア取りに便利なメドル、ワンチャンスを生み出すノット・デッド・イェットなどのアグレッシブなスタイルを支えるアビリティーは、より「W」を押したいチームや、ファーストブラッドを取られがちなプレイヤーが活用してくる可能性があります。 一方でアグレッシブさを支援するアビリティーたちを、パラノイア(オーメンのフラッシュ)やオービタルストライク(ブリムストーンのアルティメット)などと天秤にかけて、どちらが自分の(チームの)スタイルに合っているのかを考える必要があるでしょう。 クローヴは『VALORANT』Episode 8 Act IIのコンテンツの1つとして、2024年3月27日にリリースされます。より攻撃的なコントローラーによってメタに変化が生まれるのか、そして競技シーンではWコントローラーが多く採用されるなかでクローヴのポジションがあるのか、注目です。 次ページではデベロッパーコメントシートをお届けします。 デベロッパーコメントシート ――クローヴを開発する際に目標としたことや、インスピレーションの元となったものついて教えてください。 エージェントゲームプレイデザイナー、Dan Hardison:開発プロセスの初期段階で、よりアグレッシブなプレイスタイルが可能なコントローラーを生み出す時がやってきたと判断して、それを目標にしました。これまで対戦相手に真っ向から挑みたいプレイヤーにとって、オーメン以外の選択肢は限られていると感じていましたから。また、ゲームプレイを通してプレイヤーに教訓を授けてくれるようなMOBAのキャラクターからもインスピレーションを受けています。例えばLoLのアニーは一か所に固まるべきでないことを、ツイステッド・フェイトはマップ上での位置取りの重要さをプレイヤーに教えてくれます。クローヴからは、ラウンドにおける命の価値をどう判断するかについて、プレイヤーが学べるようにしたいと考えました。開発期間中、何人かのライアターたちから(プロプレイヤーの)ANGE1について訊ねられ、このキャラクターは彼のために作っているのかと質問されたこともありました。 ――クローヴというキャラクターを作る際、どのようにしてリアリティーを持たせましたか? シニアナラティブライター、Ryan Clements/ナラティブライター、Antoinette Chable:リアリティーは、エージェントを開発する上で最も重要な柱の1つです。これはチームメンバー全員にとってのスローガンでもあり、エージェントの出身国を決める前からその取り組みは始まっています。 クローヴの場合、取り組みは多岐に渡りました。ナラティブチームは、キャラクターおよびアビリティーにおけるクリエイティブな全体的目標と合致した接点を見つけるため、スコットランドの土地と文化について事前調査を行いました。共鳴し合う音楽や芸術、文学を見つけること──すべてがプロセスの一環でした。 その後はプロのコンサルタントの力を借りました。私たちがどれだけ研究を重ねたとしても、コンサルタントのような生きた専門知識を手に入れることはできませんから。クローヴに関しては多方面の知識を求めて、(特に、アクセントや地域のリアリティーに関して細かな調整を行うため)学術コンサルタントや言語学コンサルタントなどの協力を得ました。 また、キャスティングと収録は現地エディンバラで行ったので、ナラティブチームは都市や文化に直接触れることができました。もちろん、声を演じる役者が独自の解釈をキャラクターに取り入れる機会についてはいつも歓迎しています。 ――クローヴをデザインした際の、予期せぬ課題や特筆すべきエピソードはありますか? エージェントゲームプレイデザイナー、Dan Hardison:私たちのお気に入りのアイデアの中から明らかに実用的ではなかったものを1つ挙げると、「幽体離脱状態」があります。移動速度が非常に遅くなる一方で、敵のターゲットの対象にはならず、全アビリティーを使用できるのですが、プロトタイプの域を出ませんでした。プレイヤーラボでは、敵プレイヤーの進路からどくように、クローヴを操作するプレイヤーに頼まなければなりませんでした。クローヴのデス後に、他プレイヤーに向かって飛んでいって移動を妨害できたためです。これは、私たちが目指すコントローラーのプレイスタイルとは言えませんでした。対戦相手を邪魔しないようにノロノロとよけていく姿は微笑ましく、ランクのレーティングを懸けた場面では決して見られないものだったでしょう。 デス後の状態に関して直面したデザインの課題の1つは、それによって他のアビリティーに課された制約の多さでした。デス後のアビリティー使用は非常に多くな影響力を持ちますので。私たちが指針としたデザイン原則は、「ほとんどの場合において、クローヴを撃つことが間違ったプレイであってはならない」というものです。この原則によって、現在のタクティカルシューターの範囲から逸脱せず、影響力が大きすぎるアルティメットの採用を避けることができました。例えば、デス後にのみ使用可能になる、マップの広範囲に影響を与えるアルティメットもいくつか試してみましたが、クローヴがアルティメットを使うために自らキルされに行くような状況は絶対に作りたくありませんでした。それがまかり通れば、試合は恐ろしく間の抜けたものになってしまうからです。 ――クローヴのプレイスタイルを言い表すと? エージェントゲームプレイデザイナー、Dan Hardison:リスクを冒すことこそがクローヴに最適なゲームプレイです。敵を倒してユーティリティーを排除し、成功を収めるためには、あえてリスクを冒し、より大きな目的の達成のために自分の命を引き換えにする必要があるのです。他のコントローラーとは異なり、実行できるユーティリティーそのものは平均的に弱いものの、デス後に貢献できる能力を有していることで、敵から逃げるのではなくデスするまで戦うことができるのです。味方の命を救えるならば、突っ込んで倒されるのが正解ということもクローヴの場合はあり得ます。1対1のトレードになったとしても、敵がクローヴでない場合はこちらが有利を得られます。クローヴをプレイするには、チームのために命を捧げる覚悟が必要なのです。 ――「クローヴ」は現在のメタにどのような変化をもたらすと思いますか? エージェントゲームプレイデザイナー、Dan Hardison:VALORANTの現在のメタではリテイクが非常に重視されており、コントローラープレイヤーはしばしばユーティリティーを使って単に時間を稼ぎ、チームメイトが来るまでサイトを離れることを余儀なくされています。クローヴは、ルースを使う前に倒されたとしても他のエージェントほど価値が損なわれないため、サイト周辺でのよりリスキーなソロプレイを促進する存在になると考えています。このタイプのエージェントは、プロシーンよりもランク戦に与える影響の方が大きいでしょうが、プロシーンでも反響があれば嬉しいですね! ――クローヴの性自認についてはどのようにアプローチしましたか? エージェントリード、John Goscicki:エージェントを開発する際には、グローバルなプレイヤー層を反映した多様なキャラクターをしっかりと表現するよう努めています。これは地域や文化だけにとどまる話ではありません。クローヴの性自認は、キャラクターの性格やユニークなゲームプレイスタイルと同様に、クローヴがVALORANTのエージェントとしてどのような存在になるのかを形作る重要な要素となっています。
インサイド Okano
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