同僚がNISAで「月10万円」の積立投資をしています。私は「月1万円」…増やした方がいいですか?
【新NISAシミュレーション】月1万円を20年間積み立てると資産はいくらになる?
新NISAの「つみたて投資枠」に毎月1万円積み立てた場合、20年後にはいくらになっているのでしょうか。 ●想定利回り(年)5%の場合 ・積立額:毎月1万円 ・利回り:5% ・積立期間:20年 上の条件でシミュレーションしてみると、結果は以下のようになりました。 ・総資産額:411万円(元本240万円+運用収益171万円) 総資産額は月10万円積み立てた場合に比べて10分の1となりました。 ●想定利回り(年)9%の場合 ・積立額:毎月1万円 ・利回り:9% ・積立期間:20年 上記の条件でシミュレーションしてみると、結果は以下のとおりでした。 ・総額:668万円(元本240万円+運用収益428万円) 月1万円でも、利回りが高ければ高い収益が期待できます。
【最終結果】毎月「1万円」と「10万円」ではどれほど差がつく?
上のシミュレーション結果を表にして一覧で見ていきましょう。 積み立て額が単純計算で10倍違うので、運用後の総資産もおよそ10倍違います。 この結果をどう捉えるかは人によって異なりますが、金額の差そのものでいうと広がっていく一方で、倍数という観点から見れば、差は広がらない(=最初の差がそのまま続く)といえるでしょう。 むしろ、金額の差よりも重要なのは「どれほどの利回りを想定するか」という部分となりそうです。 ご自身が「いくら増やしたいか」「どの程度リスクを許容できるか」という部分を明確にしたうえで、商品選定に取り組むとよいでしょう。 次章ではこの結果を踏まえ、少額投資の際に意識したいポイントについて見ていきます。
少額投資で資産を増やすためのコツ
先述したとおり、元手の資金差を運用によって埋めることは難しいです。 それでも、少額だからといってつみたて投資に全く意味がないわけではありません。 少額投資でも資産を増やすにはどのような点を意識すればよいのでしょうか。 ・できる限り長期でつみたてる ・リスクを考慮しつつ、リターンの高い投資先を選ぶ 以上の2点について詳しく見ていきましょう。 ●長期投資のメリット 表を見ると、黄色い部分(=運用収益)の伸びが指数関数的であることがわかります。 指数関数的ということは、運用収益の増加額の幅は期間が長くなればなるほど、大きくなることを意味します。 この増加は「複利効果」によるものです。 複利効果は「雪だるま式」とも言われており、時間とともに大きくなる力が強まることが特徴です。 つまり、期間を重ねれば重ねるほど、利回りが掛かる範囲が大きくなるということです。 このため、投資においては「時間を味方につける」ということが非常に重要なポイントとなるでしょう。 ●リターンの大きい投資先を選ぶ 次に、2点目の「リスクを考慮しながらリターンの大きい投資先を選ぶ」について考えていきましょう。 昔から言われている言葉の一つに「ハイリスク・ハイリターン」があります。 リターンが大きければ、リスクも大きいということです。 これはつみたて投資の商品選定にもあてはまります。 リターンが大きいものを選べば、それだけ大きな資産の増加が見込めます。 一方で、価格変動リスクもそれだけ大きいということになります。 例えば、米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動するインデックスファンドに積み立てをする場合と、日経平均に連動するインデックスファンドに積み立てをする場合、前者の方が大きいリターンが見込めるとされています。 なんとなく「米国の方が値動きが大きい」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。 金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」によると、世界の主な株価指数に20年間(1998~2017年)つみたて投資をした場合のリターンは、「日経平均」で5.5%、「S&P500」で9.1%でした。 このことから、日経平均などの国内資産よりも、S&P500などの米国資産の方がよりリターンが高く、一方でリスクも国内資産に比べて高くなる傾向があります。 投資先を選ぶ際には一国に集中して投資するのではなく、国内や米国、新興国など、あらゆる地域に分散して投資することが大切です。