教員が足りない…広がる発達障害への理解と裏腹にケアは手詰まる。「怠けているだけ」。無慈悲な言葉が孤独を加速させる
小学校で特別支援教育コーディネーターを担う40代女性教員は、子の障害を受け入れられなかったり、周囲の目を気にしたりして葛藤する保護者を多く見てきた。「親自身も何かしら発達障害的なものを抱え、うまく社会生活が送れていないケースもある」という。 子どもだけでなく、家庭に寄り添い、ケアできる態勢整備は道半ばだ。 ◇発達障害とは 生まれつきの脳機能の障害とされる。特定の物事にこだわりがあり対人コミュニケーションが苦手な「自閉症スペクトラム障害(ASD)」、落ち着きがなかったり衝動的に行動したりする「注意欠陥多動性障害(ADHD)」、読み書きや計算が苦手な「学習障害(LD)」などの総称。知的な遅れを伴うこともある。言葉の遅れや多動など、親が子どもの発達に違和感を覚えたり、自治体の乳幼児健診で指摘されたりして発覚するケースが多い。いずれも障害の程度は個人差が大きく、必要な配慮もそれぞれ異なる。
南日本新聞 | 鹿児島
【関連記事】
- 【シリーズ「特別支援教育の今」を初回から読む】まさか自分の子が…かつて無理解だった特別支援学級は今、急速に増える。上限8人の小所帯。「ここが、この子の居場所」
- 【併せて読みたい】療育が広がり認知上がる発達障害、保護者の抵抗感も減る? 特別支援学級の在籍数7.3倍に、顕著な「自閉症・情緒障害」は21倍 鹿児島県内の公立小中
- 少子化なのに教室が足りない…特別支援学校は話が別、児童生徒が10年で3割増える 全国で慢性的な教室不足に
- 保育者を悩ます園児の「困り感」…発達支援利用者は10年で3倍、現場の不安も増すばかり 専門教員を配置した学園に起きた変化とは
- 耳の近くでチョキチョキ、首元ケープの締め付け苦手…感覚過敏のキッズへ安心を 美容室と支援団体が連携「徐々に慣れて」 薩摩川内