<東京都知事選>立候補者の1日ルポ ── 鳥越俊太郎候補(後編)
この日、街頭演説を行ったのは3か所。鳥越氏はいずれの場所においても、福祉施策の充実、待機児童を含む保育の課題解決、そして、平和・護憲・非核について話していた。前の2点は、生活に近く、切実な課題への対策を示して訴えかけようという狙いだろう。最後の1点については、保育や介護に比べると都政との距離があるように感じるが、参議院選挙で改憲阻止などを目指して野党が統一候補を擁立、その結果に危機感を抱いた鳥越氏が立候補を決めた、というストーリーの流れからすると、参院選で野党を支持した層に訴えかけ、支持を得る狙いがあると想像される。 週刊文春が報じた鳥越氏の女性問題疑惑に関して、この日の演説では言及しなかった。池袋の街頭演説に来た練馬区の60代女性は、「何でいまその話が出るのよ」と選挙期間中に記事が出た点に疑問を持ち、かつ憤慨。一方、同区の70代男性は「あの記事は誹謗中傷に近い感じがする」としながらも、「火のないところに煙は立たないという。選挙後に改めて説明をしてはどうか」との考えを述べた。8月1日以降、鳥越氏は女性問題疑惑について何か語る機会を作るのだろうか。 (取材・文:具志堅浩二)