JASRAC、管理手数料実施料率を一部引き下げ 3月分配期に限り
日本音楽著作権協会(JASRAC)は6日、著作物使用料等を作詞者・作曲者・音楽出版社等の権利者へ分配する際に控除する管理手数料実施料率を、2024年3月分配期に限り、引き下げることを発表した。 JASRACは、経常収益(著作物使用料を分配する際に控除する管理手数料等)が経常費用(業務遂行に要する事業費・管理費)を上回った場合、収支差額金として翌年度に権利者へ分配しているが、「決算前においても収支差額金となることが確実に見込まれる部分は、できる限り早く権利者に還元したい」と説明。 2023年度(2023年4月~24年3月)は経常収益が予算を上回り、経常費用は予算を下回る水準で推移しているとし、「2024年3月分配期に適用する管理手数料実施料率を一部引き下げることとしました」と報告した。 JASRACは、作詞者・作曲者・音楽出版者等の委託者に著作物使用料等を分配する際、管理手数料として分配額に一定率(管理手数料率)を乗じた額を差し引き、それを業務運営の経費に充てている。 対象となる使用料の区分は、「演奏等」(大規模演奏会等、カラオケ、ビデオ上映、遊技機上映・演奏)をはじめ、「映画上映」「放送等」「有線放送等」「業務用通信カラオケ」「インタラクティブ配信」「授業目的公衆送信補償金」。以下のとおりの引き下げとなる。 JASRACは「音楽をご利用になる皆さまからお支払いいただいた使用料がクリエイターの新たな創作へとつながるよう、今後も管理の効率化と経費の削減に向けた取り組みを続けてまいります」と結んだ。 ■管理手数料実施料率(2024年3月分配期に引き下げる区分のみ) ▼演奏等 「大規模演奏会等」12.5%→10.5 % 「カラオケ」22%→20% 「ビデオ上映」23%→21% 「遊技機(上映・演奏)」13%→11% ▼映画上映 23%→21% ▼放送等 8.5%→6.5% ▼有線放送等 9.5%→7.5% ▼業務用通信カラオケ 9%→7% ▼インタラクティブ配信 9.5%→7.5% ▼授業目的公衆送信補償金 9.5%→7.5%