杉とリンゴでジャケットできた 長野の森林組合 地元産組み合わせ
地域資源を活用した素材を組み合わせて商品化――。長野県の根羽村森林組合は、村の杉を原料とした「木の糸」と、同県飯綱町産のリンゴを使った「りんごレザー」を組み合わせたジャケットを作った。「木の糸」は2025年大阪・関西万博のスタッフユニホーム用素材に使用される。17日には長野市の県庁を訪問し、阿部守一知事にジャケットの完成を報告した。 ジャケットは「木の糸」を主原料とした生地に、りんごレザーで装飾したボタンが付いている。「木の糸」は、チップにした間伐材を煮て和紙状にし、それを細く切ってより糸にする。染色していないため、木本来の色味を楽しめる。同組合の岩見義明参与は「木の糸は抗菌作用があり、乾きやすいのが特徴だ」と話す。 「りんごレザー」は、SORENA(長野市)が開発した新素材。ジュースやシードルなどを作る際に発生する、リンゴの搾りかすに樹脂などを混ぜ合わせて作ったものだ。 ジャケットは6月以降、限定30着を販売する予定だ。試着した阿部知事は「着心地が良い。これは優れたサーキュラーエコノミー(循環経済)の取り組みだ。県も素材のPRに力を入れていきたい」と話した。
日本農業新聞