実りのある秋の練習で攻撃力強化を掲げた阿部監督

　巨人の阿部慎之助監督（４５）が２２日、東京・大手町の読売新聞東京本社で山口寿一オーナー（６７）にシーズン終了の報告を行った。就任１年目で４年ぶりリーグ優勝を果たすも、ＣＳ最終ステージ（Ｓ）では６試合で計９得点と打線が機能せず敗退。「課題は明確。打てなかった」と打力強化を掲げ、宮崎での秋季キャンプを行わず、Ｇ球場で鍛錬の秋とする方針を示した。 　来季への決意を新たにした。阿部監督はスーツ姿で山口オーナーと対面して今季終了の報告を行った。アドバンテージ１勝を含む３勝３敗で迎えた２１日のＣＳ最終Ｓ第６戦、最終決戦で１点届かず敗退した。「短期決戦の難しさとか、チームの課題は明確に出た。打てなかったからね。何とか打撃陣をというね。そういう話でした」。さらに上を目指すため、攻撃力強化を最重要ポイントに掲げた。 　レギュラーシーズン１６勝８敗１分けと大きく勝ち越した３位ＤｅＮＡとのＣＳ。６試合でチーム打率１割７分、計９得点と打線が沈黙した。大城卓、坂本、ヘルナンデスが務めた５番打者は計２２打数無安打。４番・岡本和が計４つの申告敬遠と勝負を避けられ、つながりを欠いた。不動の３番・吉川が肋骨（ろっこつ）骨折で欠場し、日替わりで打順を組むも、得点圏打率は３４打数１安打、０割２分９厘。見逃し三振など消極的な打撃も目立って終戦した。 　７７勝５９敗７分けの貯金１８で４年ぶりのセ・リーグ優勝を果たしたが、総得点４６２は同４位。球団ワーストのシーズン２０度の完封負けを喫し、２度の０―０の引き分けを含めると２２試合が無得点だった。攻撃力強化に向け今秋は「よみうりランドでやることにしたから。秋のキャンプは行かないで」とＧ球場でバットを振り込む方針を決めた。 　例年、日本シリーズ出場を逃した年は宮崎で秋季キャンプを行うことが多い。今回も同様の選択肢はあったが、最新の研究施設や機器もあるファーム本拠地で腰を据えて鍛錬する。「練習方法だったり、来年はこういうことをやるよっていうのをコーチ陣と話して、コーチ陣もいろんな引き出しがあると思うけど、それを全部若い選手にレクチャーして本人たちに選ばせて練習させようかなと」。個々で異なる課題や現状に合った多種多様な練習法でレベルアップを目指す。 　山口オーナーからは「来年は日本一を目指そう」と激励の言葉ももらった。浅野、中山、秋広、門脇ら若手は無限の伸びしろがある。日本一へ打撃陣の底上げは不可欠。打ち勝つチームに変身するため実りの秋にする。（片岡　優帆）