その国知るにはマーケットが一番 140年続くメルボルン市場建物デパートの趣
初めてオーストラリアに行ったのは今から12年前。シドニーを中心に回った撮影だったので、ここに滞在したのはわずか1日。記憶に残っているのは、波打った屋根が夕日に照らされたサザンクロス駅。移動の慌ただしさから、ほっと一息ついたホテルの窓から見えた風景だ。 英国のエコノミスト誌の調査部門で「世界で最も住みやすい都市」に7年連続で1位に選出されている街、オーストラリアのメルボルン。昨年日本からの直行便も増え、観光でも注目されているという。“世界一住みやすい街”とは一体どんなところなのだろうか。あれから12年、そんなメルボルンの街を再び旅した。
初めて訪れる国を素早く知るには、マーケットを歩くのがいい。その土地で採れる野菜や果物、魚介類、そして買い物する町の人々の様子。値札から何となく物価も想像できる。
市街地のほぼ中央を南北に通るエリザベスストリートを北に向かう。ビクトリアストリートに突き当たる角にあるクイーンビクトリア・マーケット。1878年オープンの歴史あるマーケットだ。
総面積7万平方メートルと南半球最大を誇る敷地に精肉、鮮魚、野菜から日用品、衣料、土産品まで700店以上が並んでいる。趣のある建物はデパートのようにきれいで、お店とお客さんの会話があちこちから聞こえてくる。朝早くから、買い物をする地元の人々とお土産を見つけに来た観光客で賑わっていた。 ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<世界で最も住みやすい街メルボルンへ>倉谷清文第11回」の一部を抜粋しました。(つづく) (2018年3月撮影・文:倉谷清文)