コーエーテクモ、直近業績は営業利益減も「投資運用益130億円」寄与し純利益は一転大幅増…本業の反動不調を下支え
株式会社コーエーテクモホールディングスは29日、2024年3月期の第1四半期決算を発表。同四半期(2023年4月~6月)の業績は、売上高が前年同期比3.8%減の176.07億円、営業利益が23.8%減の57.23億円と縮小した一方、純利益は29.2%増の136.38億円を計上し、第1四半期として過去最高を記録した。 【画像】【参考】コーエーテクモが公表した「よくある質問」と今後の開発パイプライン 売上高と営業利益の減少要因について、同社は「前年同期に新規スマートフォンゲームの配信開始があった反動」を挙げており、関連して自社運営スマホゲームタイトル数増加に伴う費用増も主因とした。主力のエンタテイメント事業ではパッケージゲーム『Rise of the Ronin』等のリピート販売が中心となって牽引。 スマホゲームも昨年に『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』『信長の野望 出陣』をリリースし、これらを含む全体が安定して貢献したものの、同年2月にリリースした『BLUE REFLECTION SUN/燦』は今年5月末でクローズするなど、早期撤退も見受けられた。 前年反動で軟調となった営業利益の一方で、営業外活動を含んだ経常利益については、営業外での投資運用の好調により大きく伸長。内訳を見てみると受取利息が66.5%増、デリバティブ評価益が107%増、費用減少などにより結果として、営業利益の減少を相殺し純利増加に貢献した。 今後はグローバルIPの創造と展開を経営方針に掲げ、大型タイトルを継続的に発売できる体制の構築を進めていく方針。なお、同社はよくある質問として「予定タイトルの開示が少ない」との指摘に対する回答を事前に提示。「パイプライン数の大きな増減は起きていない。次の数年間に向け、前年度からすでに多くのタイトルが開発中。パイプライン開示は例年通り」「2024年度は下期にタイトルが集中している」と伝えている。 ■スタジオ別概況 シブサワ・コウ ・『信長の野望 覇道』が配信1.5周年を記念したキャンペーンを実施 ・「戦国無双」シリーズとのコラボイベントを展開 ω-Force ・『真・三國無双 ORIGINS』を2025年に発売予定と発表 ・『Fate/Samurai Remnant』のダウンロードコンテンツ第3弾を6月に配信 Team NINJA ・『Rise of the Ronin』のリピート販売に注力 ガスト ・『FAIRY TAIL2』を今冬発売予定と発表 ・『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』が堅調に推移 midas ・位置情報ゲーム『信長の野望 出陣』で地域の伝統行事とのコラボレーションイベントを実施 ルビーパーティー・AAAスタジオ ・新規タイトルの開発に注力
オタク総研編集部