【独自】預かったロレックスを勝手に売却か 取材記者が明かす「トケマッチ」元社長の人物像 被害者からは憤りの声
業務上横領容疑で指名手配された、高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」の元代表・福原敬済容疑者(42)とは、どんな人物なのか。 【映像】ドバイに逃亡?トケマッチ元社長の男(42)
福原容疑者は、客から預かっていたロレックスを65万円で売却した疑いがある。2024年1月にトケマッチを終了させ、運営会社のネオリバースも解散。同時期にドバイへ逃走したとみられ、警視庁は国際指名手配する方針だという。 トケマッチに時計を4本預けた40代男性は「はめられたって思った」、時計を2本預けた30代男性は「悪意しか感じとれない」と語る。警察は3月1日時点で、全国13都府県で44件の被害届を受理している。貸し出された時計は、すでに約70本が売却され、1億円分の被害が確認されているが、これは氷山の一角とみられる。被害者の会は約200人規模で結成され、被害は少なくとも866本、総額19億円にのぼるという。
事件を発生当初から追っている朝日新聞の佐野楓記者は、取材を通して「普通の人」や「詐欺を働くような雰囲気ではなかった」という福原容疑者の人物評を得た。一方で「時計の知識はあまりなさそうだった」との反応もあったと語る。 中学時代の同級生に取材をすると、「数年前に数人で食事をしたことがある。当時は不動産業をしていると話していた。しかし少し怪しい印象もあって、それ以降、一度も会ったことがない」と明かす。 トケマッチは、オーナーから預かった腕時計を、利用者にレンタルするサービスで、オーナーには「月額預託料」が振り込まれるシステムだった。公式サイトには、2021年1月のサービス開始後、6月には預託本数50本、翌年4月に300本、そして2023年8月には1500本を達成したと記載されている。佐野記者は「預託本数の成長は、公式発表に載っているが、レンタル者数の実績は全く載っていない。あえて実績を不透明にすることで、自分たちのやっていることを隠そうとしていたのでは」と分析する。