矢吹正道が激闘から一夜明け「次のことを考えられない状態」 世界王座返り咲きも今後は明言せず
プロボクシングのIBF世界ライトフライ級タイトルマッチ(12日、愛知県国際展示場)で2年7カ月ぶりに王座に返り咲いた新王者の矢吹正道(32)=LUSH緑=が激闘から一夜明けた13日、名古屋市内で会見。「すごく練習してきました。寿命が縮まりました」と復活までの日々を振り返り、「実感というのはないのですが、ほっとしています」と充実感を漂わせた。 試合は初防衛を目指したシベナティ・ノンシンガ(25)=南アフリカ=に9回1分50秒TKOで完勝。冷静な試合運びで13勝中10KOと高いKO率を誇る強敵相手に序盤から主導権を握ると、8回、9回に畳みかけて計3度のダウンを奪い、勝負を決めた。 勝因については「ジャブです」と分析し、「中間距離なら絶対に負けない自信があります」と胸を張った。また、今後については試合後の取材と同様、減量苦を理由に「一つ言えることは、ライトフライ級ではもうやらないということです」と同級からの卒業を改めて明言。 対戦希望として1階級上のWBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ(25)=米国=の名を挙げた。同級での2階級制覇を目指す考えを示しながらも「今はボクシングやり切ったという感じがすごくあり、次のことを考えられない状態。とりあえず、もう一度ボクシングをやりたいなと思えるぐらい、ゆっくりします」と話すにとどめた。 三重県出身の矢吹は2016年3月にプロデビュー。21年9月に当時WBC王者だった寺地拳四朗(BMB)を10回TKOで破り、王座を奪取したが、翌年3月に寺地に3回KOで敗れて陥落。再び世界を目指していた昨年5月には左アキレス腱(けん)を断裂するアクシデントもあったが、それらを乗り越え、2度目の王座をつかんだ。プロ戦績は21戦17勝(16KO)4敗。