クルーズビジネスの幕開けなのか? 清水港でも寄港数が大幅増加へ
クルーズブームの到来か? ── 静岡市の清水港で大型客船の寄港が増えている。寄港数が今年は予定も含め41回と、前年実績18件の2倍以上にのぼる。その数字を支える大きな理由が大型クルーズ船「スーパースター ヴァーゴ」だ。7月8日の大阪入港が日本初入港となる。
スーパースター ヴァーゴは7月に日本へ初就航する7万トンクラスの大型クルーズ船。東京ドームの約1.5倍の広さがあり、935室の部屋を備え、計1870人が船の旅を楽しめる。7月から11月まで大阪または横浜を発着地とするクルーズを運航する。たとえば、大阪発着であれば、大阪 - 横浜 - 清水 - 鹿児島 - 上海 - 大阪が航程となる。 今回のクルーズで乗客は7泊8日の船旅を満喫でき、国際色豊かな豪華な料理のほか、船内でプールやウォータースライダー、ジム、ナイトクラブ、カラオケなどの娯楽施設も楽しめる。また、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属する芸人やタレントが乗船し、船内シアターでお笑いライブやパフォーマンスを披露するという。このスーパースター ヴァーゴが今年、清水港に20回寄港することからクルーズ船の清水港寄港が前年の2倍以上にも増えるのだ。
スーパースター ヴァーゴを運航するのは、レジャー、エンターテインメント、およびホスピタリティなどの事業を世界的に展開しているゲンティン香港の100%子会社「スタークルーズ」。同社は、スーパースター ヴァーゴなど計6隻のクルーズ船を運航してアジア太平洋地域のクルーズをけん引してきた。ゲンティン香港は、ドイツにて造船事業も展開しており、スタークルーズを含むクルーズ運航会社3社を傘下に有し、アジア太平洋地域でのリーディングクルーズラインとして確固たる地位を築いている。 ゲンティン香港はまた、マニラでカジノを含む複合施設、リゾートワールドマニラを、シンガポールではナイトライフの象徴になっているズーク(Zouk)を傘下企業が運営しており、クルーズビジネスにとどまらず世界有数のエンターテインメントとレジャーをアジア太平洋地域で展開している。 同社日本オフィスの担当者は7月からスタートする日本クルーズについて、「スーパースター ヴァーゴの速力が24ノットあるので、7泊8日という日程で魅力的な寄港地を4カ所もめぐるクルーズが実現できた」と話す。「大阪、横浜という海外からのアクセスも良い人気の観光都市が発着地のため、フライ・アンド・クルーズのお客様も見込んでいる」とし、中国や日本国内の顧客にとどまらず、飛行機で来日した日本観光の外国人も広くターゲットにしているという。 スーパースター ヴァーゴの日本就航は、本格的なクルーズビジネスの日本での幕開けをつげるものと言えるのかもしれない。