「命は有限だと早くに気付けた」 京都の38歳会社員が体験した白血病と骨髄移植
10月の骨髄バンク推進月間に合わせ、ドナー登録や献血への協力を呼びかける講演会が、福知山市内記のハピネスふくちやまで開かれた。骨髄移植を受けた患者やドナーコーディネーターが体験談や課題を語った。 【写真】白血病6歳弟救った骨髄移植 中学の兄と仲間がバンク普及運動 10月11日の講演会には、経験者として会社員の佐藤遼さん(38)=福知山市=が「白血病と骨髄移植を受けて」と題し、病気の発見時や闘病生活を振り返った。 倦怠(けんたい)感と発熱が続いた佐藤さんは、受診した病院で医師から「生存率は6~7割。すぐに入院しなければ助からない」と告げられた。無菌室に隔離され、首に輸血用のカテーテルがつながれた。 抗がん剤治療で治りにくいことが判明し、骨髄バンクでドナーを探した。「10人いればいい方」とされる提供者が89人見つかった。提供に至らない場合も多い中、確認した1人目で移植が決定。「奇跡だと思った」と語った。 抗がん剤の副作用や無菌室に独りでいる心細さに涙があふれてきたこともあった。佐藤さんは「命は有限だと早くに気付けた。一日を大切に目標を持って生きていきたい」と強調。輸血や骨髄移植の提供者に強く感謝したといい、「家族にドナーの適合通知が届いたら、背中を押してほしい」と呼びかけた。 公益財団法人日本骨髄バンクのコーディネーターは「ドナー登録者の高齢化が進んでいる。一層の協力を」と訴えた。市内で長年、骨髄バンクの普及活動をしてきた藤岡八重子さん(78)=土師新町=らを交えたパネル討論もあった。 講演に合わせ、昼間は忙しくて協力できない人向けの「ナイト献血」が市役所駐車場であった。市内では初の実施で、約40人が献血やドナー登録した。 市は、11月23日に開催する福知山マラソンで、骨髄バンクに協力を呼びかけるタスキをかけて出場する応援ランナーを募集中。申し込みは福知山市健康医療課0773(24)7086。