知床の保全事業、有識者が懸念 沈没事故で携帯基地局整備
世界自然遺産の北海道・知床の保全について有識者が議論する「科学委員会」が7日、札幌市内で開かれた。22年に知床沖で発生した観光船沈没事故を受けて進められている携帯基地局の整備事業が議題となり、委員から「本当に必要か再考すべきだ」「景観には公益性がある」などと懸念する意見が相次いだ。 事業は、岬付近にある約7千平方mの国有地に386平方m分の太陽光パネルなどを設置する計画。5月にも着工予定だったが、国の天然記念物オジロワシが営巣している可能性があり延期された。自然保護団体からも環境への影響を指摘する声が出ている。 環境省は会合で、オジロワシの生態調査結果などについて報告する。