【米大統領選2024】 ハリス氏、バイデン氏の発言騒動から距離置く トランプ氏支持者を「ごみ」と
米大統領選挙が6日後に迫った30日、民主党候補のカマラ・ハリス副大統領は、ジョー・バイデン大統領が共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の支持者たちを「ごみ」と呼んだとされる騒動から距離を置くことに努めた。 ハリス候補は、前日のバイデン氏の「ごみ」発言について記者団に尋ねられると、「誰に投票したかによって人を批判することには強く反対する」と述べた。 一方、トランプ候補はこの騒動に便乗し、ウィスコンシン州での選挙活動中にごみ収集車に乗り込み、「バイデンは恥を知るべきだ」と発言した。 バイデン氏は29日夜のラティーノ(中南米系)有権者グループとのZoom会議で、「私が目にする唯一のごみは、彼(トランプ氏)の支持者だ」と発言したと報じられた。 これを受けてホワイトハウスは、大統領が言及したのは1人のトランプ候補支持者だけだと主張する議事録を公開。27日にニューヨークで行われたトランプ候補の集会で、プエルトリコを「海に浮かぶごみ島」と呼んだコメディアンを指すものだったとした。 バイデン氏本人もX(旧ツイッター)で、当該発言はトランプ候補の集会で物議を醸すジョークを言ったコメディアンに向けたものであり、数千万のアメリカ人全体に向けたものではないと弁明した。 ハリス候補は30日、首都ワシントンから激戦州での選挙活動に向かう飛行機の中で、バイデン氏の発言について記者団に質問されると、バイデン氏がすでに「発言の明確化」を試みていると説明。 「でもはっきりさせておきたい。私は誰に投票したかによって人々を批判することには強く反対する」と付け加えた。 また、もし11月5日の選挙で自分が勝利した場合、「私に投票しない人々も含めた、すべてのアメリカ人のための大統領になる」と述べた。 ハリス候補は、話題の焦点をトランプ候補に戻そうとし、アメリカの有権者は「団結し、この分裂の時代を打破しようとする」ことを望むのか決めようとしていると話した。 一方トランプ候補の支持者たちは、2016年の大統領選で民主党候補のヒラリー・クリントン氏が、トランプ候補の支持者の半分は「哀れむべき人々」だと発言し物議を醸した件と、今回のバイデン氏の発言をめぐる騒動を重ね合わせている。 トランプ候補も30日にノースカロライナ州で行われた集会で、バイデン氏の発言はクリントン氏のものより「ひどい」批判。 「ジョー・バイデンはついに、自分とカマラが我々の支持者について本当に思っていることを口にした。我々の支持者を『ごみ』と呼んだ。そして、彼らは本気だ」と述べた。 トランプ候補はその後、ウィスコンシン州グリーンベイ移動。トランプ陣営のステッカーが貼られたごみ収集車に乗り込み、選挙活動を行った。 選挙期間中、トランプ候補は自ら、アメリカを「世界のごみ箱」と呼び、対立候補を「内なる敵」と表現したことで批判されている。 ヒンチクリフ氏による27日の集会での発言については、トランプ候補は「誰かがいくつかの悪いことを言った」とは認めたものの、「大したことではない」とも述べた。 (英語記事 Harris distances herself from furore over Biden 'garbage' comment)
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