どちらのファンも楽しんで 一夜限りの「坂東玉三郎×春風亭小朝」歌舞伎座特別公演
歌舞伎俳優、坂東玉三郎(74)と落語家、春風亭小朝(69)による一夜限りの特別公演が7月25日、東京・歌舞伎座で行われる。2人はこれまで京都の南座、大阪松竹座で共演し、話題を集めてきた。 【写真】京都・南座「坂東玉三郎特別公演」で遊君阿古屋を演じる坂東玉三郎 今回、上演されるのは落語芝居「怪談 牡丹燈籠-御札はがし-」と昭和の大スター、越路吹雪(1924~80年)を題材にした小朝の人情噺「越路吹雪物語」。 「牡丹燈籠」では小朝が立役の部分などを語り、お露など女性が登場する場面で芝居に切り替わって玉三郎が演じる。「越路吹雪物語」では小朝の語りに、玉三郎が「愛の讃歌」「誰もいない海」など越路の代表曲を歌う。 20歳の頃に小朝と出会い、親近感があったという玉三郎。小朝について「江戸言葉を流暢に話せる人というのが印象深い。江戸言葉を話す世話物の登場人物が、そのまま隣にいる感じ」と話し、芝居での共演にも期待を寄せた。 一方、小朝は「踊りや芝居のことを質問すると、すごく端的で核心だけを突く答えが返ってくる」とした上で、「人間的にも、芸の上でも、僕にとっては人生を変えるご縁だなと思っている」と語った。 今回の公演について、玉三郎は「歌舞伎座でやらしていただくのはありがたいことで、出発点。『牡丹燈籠』も『越路吹雪物語』も親密感のある世界なので、2人で流麗にお客さまに届けることが大事」と述べた。小朝は「歌舞伎、落語のどちらのファンも楽しんでいただけるものになる」と自信をのぞかせた。 チケット販売は6月16日からウェブ、電話で開始。問い合わせは、チケットホン松竹(0570・000・489)。(水沼啓子)