【高校野球】指揮官がかけた魔法の言葉 約3カ月で見違えるような成長を示した作新学院
特別な相手だった星稜
約3カ月で見違えるような成長を遂げたが、頂点にはあと一歩、届かなかった。 「チームでは2回勝つことができたが、戦う上での体力、スピードとパワーの差を感じました。勝つための野球力も不足している。関東大会、神宮大会を通じて対戦した学校さんと比べても、自立した実力がありません」 冷静に振り返った。決勝で対戦した星稜高は特別な相手だった。小針監督は2009年、日本高野連主催の「甲子園塾」に参加。塾長はかつて星稜高を率いた山下智茂氏であり、18年には特別講師として指導した深い縁がある。 現チームは山下元監督の長男・智将氏が率いており、恩返しの場であったのだ。 作新学院高は来春の2年連続でのセンバツ出場が当確の立場にある。開幕は3月18日。まったく先の見えなかった新チーム結成時から、この冬場は甲子園という具体的な希望に向かって練習ができる。エース・小川哲は「春は変わった姿を見せたい」と言った。約4カ月、小針監督の言葉力でナインはさらに強くなる。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール