マスク氏、ドイツ右翼政党に「投票を」 異例の選挙干渉に波紋広がる
トランプ米次期大統領の盟友で実業家のイーロン・マスク氏は9日、ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のアリス・ワイデル共同党首とX(旧ツイッター)上で対談した。マスク氏は「AfDだけがドイツを救える」として2月にある総選挙での投票を呼びかけ、強い支持を表明した。ドイツ国内ではマスク氏による異例の「選挙干渉」に警戒が広がっている。 【写真】ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」に反対する声を上げる人々 マスク氏は、米大統領選でのトランプ氏の当選について「非常に明らかなのは米国の人々が変化を求めていたことだ。ドイツの人々に勧めるのは同じことをすることだ。もし現状に不満なら、変化を求めて投票しなければならない」と語り、AfDへの投票を「強く勧める」と述べた。ワイデル氏についても「とても道理をわきまえた人物だ」と評価した。 2人はドイツの移民政策や脱原発政策、官僚主義的な手続きについて政府の対応を批判した。移民政策についてワイデル氏は「だれでも国境を越え、社会保障システムに移れるようにし、パスポートを持っていないために強制送還もされない」と一方的な主張をすると、マスク氏も米国とメキシコの国境での不法移民問題に触れ、「犯罪者の大量流入が起きている」などと述べた。
朝日新聞社