【解説】シリアのイラン大使館に空爆 今後の中東情勢は?
日テレNEWS NNN
1日、シリアにあるイラン大使館の建物への空爆でイラン革命防衛隊の幹部ら7人が死亡しました。攻撃はイスラエルによるものとみられ、イランは報復も辞さない姿勢を示しています。この背景について、元カイロ支局の富田徹国際デスクが解説します。
■シリアにあるイラン大使館に空爆 背景は?
鈴江奈々キャスター 「大使館が空爆されること自体、異常事態ですし、その場に軍人が集まっていたというのも不思議ですが、背景にはどんなことがあるんでしょうか」 元カイロ支局 富田徹国際デスク 「いま中東で起きていることは、全部ひとつにつながっています。まず、イスラエルとハマスの戦闘が続いていますよね。時を同じくしてイスラエルの北、レバノンを拠点とするヒズボラも大攻勢に出ているんです」 「この挟み撃ちのようになっている状況について、この両組織の裏に後ろ盾となっているイランが後ろで糸を引いていると、イスラエルはみているんです」
■イラン軍と別の軍事組織「革命防衛隊」 今後の中東情勢は?
富田デスク 「そこで暗躍するとみられるのが『革命防衛隊』です。革命防衛隊はイラン軍とは別の軍事組織で、しばしば国外での秘密工作を担当するといわれています。レバノンのヒズボラへの支援工作は、シリアを拠点としているとみられています。イスラエルとしては、これをたたくために、攻撃に踏み切ったという可能性があります」 鈴江キャスター 「今回はシリアにあるイラン大使館が空爆されたということですが、この影響の広がりが気になります。今後、どうなるんでしょうか」 富田デスク 「今後は、ヒズボラを使ってイスラエルへの攻撃を強めると思いますが、イランが直接、攻撃に出ることはなさそうな感じなんです。というのも、イランがイスラエルを直接攻撃してしまうと、イスラエルの背後にいるアメリカが出てきてしまうので、イランとしてはそれは避けたいというところなんですね」