カリフォルニア州ニューポートビーチにあるピムコ本社

（ブルームバーグ）： パシフィック・インベストメント・マネジメント（ＰＩＭＣＯ）は、投資家がリスクの高い債券を選好し過ぎており、新興国市場への投資を誤っていると指摘した。

ピムコの新興国市場責任者プラモル・ダワン氏と、新興国市場債券ストラテジストであるマイケル・ストーリー氏は22日、高利回り国の混み合ったポジションに向かう「誘惑」を避けるべきだとリポートに記した。

「そうしたゲームは20年前には奏功したかもしれないが、今は勝つのが難しい」という。

両氏はバリュエーションが妥当で、リスクがより低い国の債券に優先的に投資すべきだと主張。新興国市場債を国内のクレジットリスクを分散させる手段として利用するよう助言した。

ブルームバーグの集計データによれば、ダワン氏が担当する新興国市場債ファンド（運用資産45億ドル＝約6800億円規模）はこの１年でプラス23％のリターンを計上し、同種ファンドの90％余りを上回る成績を上げた。

両氏はリポートで「新興国市場債に投資する上では、スプレッドや利回り、その他のバリュエーション指標を理由にするべきではない。主として分散効果に基づくものであるべきだ」と指摘。「多くの投資家が現在、新興国市場債を間違った理由で利用し、分別を欠いた運用をし、その最良部分を見過ごしている」と論じた。

また、「リスクを取ることに前向きで、マクロイベントに合わせて市場のタイミングを計ろうとしていた投資家は負け戦を始めた」と分析。「新興国市場への投資は、リターンを最大限にしようとする投資家でなく、損失を最小限にしようとする投資家に恩恵をもたらすことが多い」と記した。

原題：Pimco Says Favoring World’s Riskiest Bonds Is a Loser’s Game（抜粋）

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