災害時に高齢者はどう生き延びる 人命救助が優先される3日分は確保を #知り続ける
避難時に必要なもの 必要なものはなるべく自分で揃えておこう
災害発生から3日を過ぎると生存率が著しく下がってしまうため、災害発生から3日間は人命救助が最優先になります。道路の復旧や避難所への物資輸送はその後になるので、まずこの3日間を自力で乗り越えられるように準備することが大切になります。 大規模な災害が発生した場合、被災地の外から、十分な食料支援を受けられるようになるには、数日程度かかることが想定されます。 自治体の避難所の備蓄品の多くは、一般的な人が生き延びるのに必要なもので構成されています。高齢者はそれぞれで準備が必要になります。自治体の備蓄は補助的なものと考え、被災地以外からの支援を受けられるまでの数日間に必要なものはなるべくご自身で用意しておくようにしましょう。
高齢者に必要な備蓄品 無理をしない避難生活を送るために
高齢者は、一般の方と同じように避難生活を送ることは難しいです。おむつなどの衛生用品、介護食などを多めに用意しておくと安心です。 災害時、高齢者の方にとっては、パンや乾燥した食品では喉に通りにくかったり、お湯を沸かして注ぐ手間も大変だったりします。普段食べ慣れているものを、少し多めに用意しておきましょう。お水やお茶に簡単にとろみをつけられるように「とろみ剤」を準備しておくと安心です。 避難所などのトイレは混んでいたり、高齢者には使いにくいこともありますので、普段はあまりおむつを使用しない方でも、多めに準備しておくと良いでしょう。おむつは吸水性が高いので、汚れそうなところや水を使う処置のときに下に敷くなど、活用することもできます。
万が一に備えて 薬の確保をしっかり
日本気象協会には、宮城県仙台市に東北支社があり、2011年3月11日に発生した東日本大震災でも、多くの職員が被災しました。 当時、高齢の家族と暮らしていた東北支社の職員によると「何より病院も薬品不足が続いており、健康状態が最大の懸案だった」そうです。 隣の薬局は早めに再開したようですが、医療品の流通が滞っていたこともあり、薬局同士で連絡を取り合いカバーしあっていると薬剤師から説明を受けたようです。慢性的なガソリン不足にも陥っていたことから、薬局としても長距離での調達は難しく、在庫がありそうな薬局を尋ね、運よく隣町に薬があるという情報を手に入れることができたと言います。この職員は近所から自転車を借りて調達に行ったようなのですが、小規模な道路は破損がひどく、通行止めになっている道もあり、薬局に辿り着くまでに時間がかかったようです。また、車が動かせれば知らない土地でもナビがあればなんとかなるものの、自転車移動であったため、電柱の住所を見たり、通行人に聞き込みしたりして苦労をして薬を手に入れたと話しています。 今回のアンケートでも「健康状態について」の不安が一番多く、薬の確保は高齢者が被災した際の大きな懸念点となることが考えられます。 災害によっては、薬がなかなか手に入らないことも考えられます。疾患によっては毎日服用しなければならない薬もありますので、万が一に備えて、かかりつけの医師に相談し、普段飲んでいる薬は多めに確保しておくようにしましょう。また、いま飲んでいる薬についてご家族が把握しておくことも重要です。 お薬手帳があれば避難先の薬局でも必要な薬を処方してもらうことができます。避難の際はお薬手帳も忘れずに持って行くようにしてください。 この記事は日本気象協会とYahoo!ニュースによる共同企画記事です。 Yahoo!ニュースが実施したアンケート調査を活用しています。 アンケートは2月1日に、全国のYahoo!JAPANユーザーを対象に行い、1000人から有効回答を得ました。
日本気象協会 本社 安齊 理沙