夏目漱石や正岡子規ゆかりの「愚陀佛庵」を再建へ…小説「坊っちゃん」発表120周年に向け
松山市は24日、夏目漱石や正岡子規ゆかりの「愚陀佛庵(ぐだぶつあん)」を同市二番町に再建すると発表した。漱石の小説「坊っちゃん」が発表から120周年を迎えるのに合わせ、2026年夏頃の完成を予定している。 【地図】愛媛県
愚陀佛庵は1895年、英語教師として松山に赴任した漱石が下宿した木造2階建ての民家。漱石の俳号「愚陀佛」が名前の由来とされる。子規が身を寄せ、漱石と共同生活を送ったことでも知られる。1945年の空襲で焼失し、愛媛県が82年、同市一番町の洋館「萬翠荘(ばんすいそう)」近くに復元したが、2010年7月、豪雨による土砂崩れで倒壊した。
再建予定地は、同市二番町の市立番町小学校の敷地内。同校の前身、勝山学校が子規ら俳人を輩出したことや、市中心部にある利便性などから決定した。敷地は小学校と区切られる。
建物は復元時の設計図や戦前の写真を基に、明治期の室内装飾や外観に近づける。俳句に関する展示などができる母屋も建設し、26年の俳句甲子園までの完成を目指す。
24日の定例記者会見で、野志克仁市長は「新たな市のシンボルとして教育活動にも活用したい。茶会や句会も企画し、全国から俳句好きの人々が集う場所になってほしい」と述べた。