「カメラない場所選んだ」 容疑者、入念に計画か 兵庫女児刺傷事件
兵庫県たつの市で18年前、小学4年の女児が刃物で襲われた事件で、殺人未遂容疑で逮捕された勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)が逮捕前の任意聴取に対し、「防犯カメラのない場所を選んだ」との趣旨の供述をしていたことが、捜査関係者への取材で判明した。子供が集まる学習塾近くで女児を物色していたことを認めており、兵庫県警は襲撃を入念に計画していたとみている。 【図解で分かる】一連の事件を巡る経緯 捜査関係者によると、勝田容疑者は事件当日の2006年9月28日、車で現場に行ったと説明。付近に駐車した後は徒歩に切り替え、「数時間前から好みの女児を探していた」と話したとされる。 女児を襲う場所としては周囲に防犯カメラが設置されておらず、人通りが少ない地点を狙ったと述べたという。たつの市内には「事件の数カ月前から複数回行っていた」と説明していたことも明らかになり、実行現場の下見を重ねていた疑いがある。 周辺の防犯カメラ映像には事件の様子を直接映したものはないが、リュックサックを背負った身長170センチほどの男性が立ち去る姿は残されていた。県警は背格好などから勝田容疑者と矛盾はないとみている。 勝田容疑者は事件当日の午後6時20分ごろ、塾から帰宅途中の9歳だった女児を刃物で突き刺し、全治2カ月の重傷を負わせた疑いが持たれている。逮捕後の取り調べに対し、「女の子を刃物で刺した」と供述したが、殺意は否認しているという。【柴山雄太、木山友里亜】