第95回選抜高校野球 光、初の春切符 夏と合わせ3回目甲子園 /山口
<センバツ甲子園> 初めての春の甲子園出場が決まり、歓喜の輪が広がった。第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が27日に開かれ、県内から光(光市)が選ばれた。甲子園出場は1993、94年の夏の甲子園以来29年ぶりで、春夏計3回目。選抜大会の組み合わせ抽選会は3月10日にあり、同18日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。【福原英信、脇山隆俊、堀菜菜子】 「『山口県立』と聞いた瞬間に来るかなと思った。叫びたい気持ちだった」。升田早人主将は、センバツ出場が決まった瞬間の喜びをこう語った。 宮秋孝史監督は「選ばれてほっとしている。少ないチャンスをものにしてくれた選手たちのおかげ」と笑みを浮かべた。四番の藤井啓輔選手は「憧れの舞台で勝つためにしっかりと練習に励みたい」と意気込む。升田主将は「守備から攻撃への流れを作れるチームにしていく。投手としても勝利に貢献できる投球をしたい」と決意を語った。 マネジャーの西原さくらさん(2年)は「憧れの甲子園に行けると決まり、感動した。全国レベルの学校に勝つための筋トレメニューを考えるなど、今まで以上にチームを鍛えたい」と話す。県立校で、野球部員たちは自宅から通っており、地域とのつながりも深い。藤井選手の父浩二さん(55)は「感無量。練習に励んで甲子園で立派な試合をしてほしい」とエールを送った。 ◇特別号外 学校で配布 光のセンバツ初出場決定を受け、毎日新聞社は特別号外を光市の同校で配布した。学校に駆けつけた野球部員の家族らが「光に春切符」「夢舞台で初勝利狙う」などの見出しが躍る紙面を手に取り、喜びをかみしめた。 特別号外は2000部発行。この日は同校で500部を配るなどした。校内で発表の瞬間を見守った野球部員の保護者は「甲子園に行くんだという実感が湧いた。『光旋風』を巻き起こしてほしい」と笑顔で話した。【内田久光】 ◇光高校 1936年創立の県立校。「文武両道」をモットーに部活動も盛んで、野球部の他にも弓道部、ヨット部などが県大会優勝や国体出場を果たすなど、全国レベルで活躍。演劇部は県大会で最優秀賞に選ばれ中国大会に出場、放送部も全国大会に出場するなど幅広い分野で力を見せている。 卒業生には、マラソン選手として2004年アテネ五輪に出場した国近友昭さん、「3年B組金八先生」などに出演した俳優・作家の室積光さん、衆院議員などを歴任した松岡満寿男さんらがいる。 〔山口版〕