生活道路の法定速度「30キロ」制限を見据えて 車の速度低下を促す『仕掛け』備えた区域 誕生の流れ加速
警察庁が、生活道路の法定速度を60キロから30キロに制限するという方針を示す中、車に速度を落とさせる仕掛けを備えた区域「ゾーン30プラス」が大阪市内で初めて誕生しようとしています。
朝から元気な声が響く、大阪市西区の西船場小学校。
児童たちの通学路をよく見ると、あちらこちらにポールが立ち、車道の幅が狭くなっています。
【大阪府西警察署 岸本景太 交通課長】「狭くなったので、視覚的に『おっ!』と速度を緩めますよね。お子さんが飛び出してきても、事故にならずに『パッ』と止まれる、という試みです」 目指しているのは、大阪市内初の「ゾーン30プラス」です。
「ゾーン30プラス」とは、車の速度を時速30キロ以内にさせるため様々な仕掛けを散りばめた区域のことで、3年前、警察庁などが生活道路の交通安全策として打ち出しました。
警察庁によると、歩行者と車の事故では、車の速度が時速30キロ以上だった時に歩行者の致死率が急激に高まることから全国で整備が進み、去年128カ所にまで広がりました。
西船場小学校の周りで大きな事故が起きたことはありませんが、子供たちがより安全に通学できるようにと去年から整備を始めています。 【20年来 児童を見守るボランティア】「大きいトラックやごみ収集の車が通りますから。子供もバタバタバタバタ通るのでね」
歩道は目立つよう色が塗られ、さらに横断歩道の手前のラインが引き直されました。 【大阪府西警察署 岸本景太 交通課長】「ラインを拡幅して、児童が安全にここで待てるようになりました」
一方、道路を一部隆起させる『ハンプ』は車の速度を落とす効果があるとしてよく用いられますが、騒音の問題を考えて選択しませんでした。 警察と道路管理者である大阪市などが話し合い、この区域に合った形の「ゾーン30プラス」を作り上げます。
今年度中に有識者による認定を目指すということです。 先月、警察庁は、2年後に生活道路の法定速度を60キロから30キロに制限するという方針を固めていて、交通事故を防ぐ手だてが加速しています。
関西テレビ