吉川愛「ワイヤーは意外と得意かも!?」アクションシーンで気づいたこと:インタビュー
女優の吉川愛が、Amazon Originalドラマ 『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』(3月22日~Prime Video世界独占配信)に出演。犬飼忠士(演・佐野勇斗)に召喚された妖怪・イジーを演じる。『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』は、ゲーム好きなオタクの男子大学生・犬飼忠士と、人間のある一族への復讐を使命として背負った美しき妖狐・イジーとの奇妙な関係を描く、新感覚ラブコメディ。多くの漫画・小説原作の実写化を手掛けた三木孝浩監督が手掛ける。インタビューでは、吉川が初のアクションにも挑戦した本作で、どのような準備をしてきたのか、隠れたみどころ、共演者とのコミュニケーションなど撮影の裏側に迫った。【取材・撮影=村上順一】 ■あの見た目でも影響されるんだ ――最初にストーリーの設定を聞いたとき、どのような印象を受けられましたか。 私たちの住む世界に妖怪が現れるというのは、現実としてはありえないことだったので、どういう感じで表現したらよいのか想像がつきませんでした。クランクインして衣装などが揃ってから少しずつイメージが湧いてきて、撮影しながら理解していく感じがありました。 ――確かにセットや衣装がないと想像するのが難しそうです。 妖怪の世界のものだったり、地域名など難しい言葉が出てきたりして、またそれが架空のものということもあり、ネットなどで調べても出てこない言葉なので大変でした。 ――普段こういった妖怪ものの作品はご覧になったりされますか。 私が一番好きなアニメは妖怪が出てくるお話なので、妖怪もののお話に携わることができて嬉しかったです。 ――イジーの第一印象はいかがでしたか。 イジーは結構トゲトゲしている女の子で、最初は芯が強くてかっこいい妖怪の女の子という認識でした。でも、イジーは意外と可愛らしいところもあるんです。ハチに影響されて初めてコーラを飲んだり、クレープを食べてみたり、あの見た目でも影響されることがあるんだという意外性がありました。ハチに出会ってからどんどん変わっていく姿も可愛くて、すごく魅力的な女の子だと思いました。 ――演じるにあたり監督からリクエストなどありましたか。 観てくれた方が憧れるような女性になったらいいよね、というお話はありました。 ――撮影に入るまでに準備されたことは? アクションに関しては事前に準備をしました。しゃべり口調も普通の人の話し方とは違ったので、セリフを覚えるタイミングでこうしようかなとか、いろいろ考えていました。 ――アクションの準備はどのようなことをやられていたのでしょうか。 私はスポーツをあまり経験してこなかったので動けないとまずいなと思い、まずはお家で柔軟から始めました。アクションシーンも初めてだったので、刀の持ち方の基礎から教えていただきました。時代劇とはちょっと違う刀の使い方をするので、基本を教えていただいてから、型を崩すという流れで練習していました。 ――ジェイソン・ステイサム(英・俳優)さんがお好きだと聞いたのですが、アクションに関してジェイソンさんから学んだところはありましたか。 ジェイソンさんからはレベルが高すぎて学べませんでした。いざ自分がアクションを経験してみると、こんなに難しいことをやっていたんだという発見がありました。ジェイソンさんは難しいアクションでも軽々とこなされていて、改めてすごい領域にいらっしゃる方なんだなと思いました。 ――これをきっかけに今後アクションを本格的にやってみたいですか。 本作で体の動かし方を学べたと思うので、もしチャンスがあれば活かしてみたいなと思います。 ■佐野勇斗は音楽があれば元気 ――共演された佐野さんはいかがでした? 私はすぐに誰かと打ち解けられる人間ではなくて、あれこれと考えてしまって、うまく距離感をつかめないタイプなのですが、すんなり仲良くなれました。撮影は2人のシーンも多かったのですが、一緒にいてすごく楽でした。現場ではみんな仲良しだったので、休憩の時もずっと一緒にいましたが、居心地がよくて楽しかったです。 ――おもしろかった方はいらっしゃいますか? アントニーさんです。芸人の方とお話する機会があまりないのですが、アントニーさんはいい意味で芸人さんらしくないところがすごく好きです。性格もおっとりしている方なのですが、おもしろいエピソードを持っているので、やっぱり芸人さんってすごいなと思いました。アントニーさんは美味しいごはんのお店をたくさん知っていて、教えていただいた京都のお店にも実際に行ってみました。 ――佐野さんにインタビューさせていただいたとき、吉川さんはユッケがあればご機嫌だという吉川さんのトリセツを教えていただきました。逆に吉川さんから見た佐野さんのトリセツはありますか。 あはは(笑)。確かに私はユッケがあればご機嫌です。佐野さんのトリセツは、音楽があればご機嫌だということです。撮影時はStray Kidsさんの曲が流行っていて、佐野さんがその曲を聴いてずっと踊っている姿を見て、音楽があれば元気なんだろうなと思いました。 ――アントニーさんのトリセツありますか。 アントニーさんはお寿司があれば大丈夫だと思います(笑)。 ■ワイヤーアクションが意外と得意!? ――本作のストーリーで吉川さんがお気に入りのところはありますか。 タイトルに“妖怪”と入っているので、ホラー系で怖いんじゃないか、と思われるかもしれないのですが、クスって笑えるシーンが結構あります。たとえばですが、イジーの敵の天廻(演・北村有起哉)が現代の日本に染まっていく姿がすごく好きで最初はあんなにおもしろくなるとは想像していませんでした。 ――さて、本作の隠れた見どころはありますか。 イジーの見た目もすごくこだわっています。何度も衣装合わせをして、どこまで妖狐に寄せるべきか、などメイクや髪型を考えていきました。中でもよく見ないとわからないと思うのですが、髪は真っ黒に見えていますが、よく見ると3本ぐらいアクセントとして青色のエクステをつけています。そういった細かいところにも注目してもらえると嬉しいです。 ――もしこの衣装を普段着られるとなったら、着てみたいですか。 難しいです(笑)。衣装が格好よくて、最初の方はウキウキしながら着ていたんですけど、徐々に慣れてくると、動きづらいことに気がつきました。肩パットみたいなものがついていて、それは割と軽いのですが固さがあるので動かしづらくて。また、夏は暑くて冬は寒い衣装なんです。シースルーなので中に保温ウェアも着れないですし、足の部分はビニール素材になっているので、太陽が当たり続けるとすごく熱くなります。なので普段使いは難しいなと思います。 ――本作の撮影を通して、役者としての発見や気づきはありましたか。 ワイヤーアクションが意外と得意なのかもと思いました。ずっと吊るされているとワイヤーが当たっているところが痛くなるので大変なのですが、「私、ワイヤー向きの人間なんだ」という発見がありました。 ――初めてだったのでしょうか。 小さい頃に一回あったのですが、それ以来でした。この作品で久々にワイヤーアクションをさせていただいてから、なぜかCM撮影などワイヤーとのご縁が増えています(笑)。 (おわり) ヘアメイク:窪田健吾(aiutare) スタイリスト:山田 莉樹