チーバくんの陰で細々と…先輩の「ちば犬」 知る県民少なく、コンセプトも似たゆるキャラは今 #ニュースその後
コアなファンに支えられ
かといって、まったく知られていないわけではない。同財団によると、熱烈な固定ファンが一部存在するのだという。 「イベントで何度も会いに来てくれる人や、『やっと会えた!』と喜びながら駆け寄ってくる人もいる」と担当者。出演スケジュールの問い合わせもある。その多くが、20~30代の若い女性。「キモカワイイ見た目が支持されているのでは」。 グッズもあり、ファンに喜ばれている。ティッシュやボールペン、消しゴム、ストラップなどがあり、最近は新たにエコバッグも製作。いずれも募金に協力してくれた人に贈っている。
「オンリーワン」の存在
ところで、「千葉県の形」かつ「生き物」というのは、チーバくんとコンセプトが少々似すぎてはいないか。両者が比較されることはない? 「それはない」とちば犬の担当者は断言する。「なぜなら、全く違うから。並んだらよく分かります」。 確かに。2体が並ぶと見た目はだいぶ違う…。「それに、ちば犬は誰かと争うために生まれてきたわけじゃない。オンリーワンの存在なんです」と強調した。
将来の夢は? 「限られた人数で運営しているので、1年を通してPRというのは難しいですが…」と担当者は前置きしながら、続けた。「やはり、ちば犬と基金の存在をもっと多くの県民に知ってもらいたい。できれば、イベント会場に直接会いに来てほしい。そして、千葉の環境を良くするために募金に協力してもらえれば」。 担当者はちば犬だけでなく、基金のアピールも決して忘れなかった。
各地に根付いた「文化」
ご当地キャラが日本一を目指して人気を競う「ゆるキャラグランプリ」が20年10月を最後に終了して以降、「ゆるキャラブームの終焉」がささやかれている。しかし、ずっとブームと無縁の世界で活動してきたちば犬にとっては、何ら影響はない。 華々しく活躍する一握りの人気キャラのように知名度はなくても、地域で与えられた等身大の役割を地道にこなし、一定のファンが付き、支えられる―。そんなちば犬のようなキャラは、今も全国に無数に存在する。 これは誕生から20年以上が経つ「ゆるキャラ」という概念が、一過性の流行を超えて、一つの「文化」として我が国に根付いた証だと言ってもいい気がする。 ちば犬はあくまで、ちば犬。千葉県を全方位にアピールするチーバくんの陰で、これからも千葉の環境保全のための存在であり続ける。 ※この記事は千葉日報とYahoo!ニュースによる共同連携企画です