<紫龍―愛工大名電・’24センバツ>56HR YAMASAKI.T 先輩の記録、目標に 選手たち、刺激受け練習 /愛知
「56HR YAMASAKI・T」。センバツに出場する愛工大名電の練習グラウンド(愛知県春日井市)には、プロ野球史上3人しかいないセ・パ両リーグで本塁打王に輝いた山崎武司さん(元中日)ら著名なOBの高校通算ホームラン数を伝えるボードが、外野フェンスに掲げられている。選手たちは、山崎さんが残した56本のような偉大な記録に近づけるよう懸命にバットを振っている。【黒詰拓也】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 山崎さんの他にボードが掲げられているのは、高校通算55本で元中日の堂上直倫さん、47本を放ち、社会人野球のENEOSに進んだ高橋優斗さん、46本を打った元巨人の堂上剛裕さん。現役の野球部員の刺激になるよう倉野光生監督が8年ほど前に設置した。 倉野監督によると、1981年に愛工大名電のコーチに就いた時から指導してきた中で、打球を最も遠くまで飛ばしていたのは山崎さんだった。「彼は天性の長距離ヒッター。投手にタイミングを外されてもバットにボールが当たればホームランだった」と振り返る。両翼約100メートルのグラウンドの左翼フェンスの後ろには、山崎さんの打球がグラウンドを越えないように設置された高さ約15メートルのネットが残っており、「山崎ネット」として語り継がれている。 内野手の祖父江孝太郎(2年)は「山崎さんのすごさはボードやネットを見ればよく分かる。さすがプロのホームラン王だと思った」と話し、鈴木礼生(れい)(2年)は「先輩たちが残した数字を見ると、練習に力が入る」と語る。(題字は倉野光生監督)