ボルボ、中国から欧州へ生産移管か 輸入関税増に対応
欧州委員会が中国製電気自動車(EV)の輸入増加に歯止めをかけるため大幅課税を検討している折、スウェーデンのボルボカーズ(以下ボルボ)は現在、中国・成都市(四川省)で生産中の電気自動車(EV)をベルギー・ゲント工場に移管する計画だと、複数の欧州メディアが明らかにしている。 【関連写真】ボルボの中国・成都工場 中国政府による過度なEV産業保護により、欧州自動車業界は痛手を被る事態を懸念、このため欧州委員会は対抗措置として関税の大幅増を検討している。 先進7か国(G7)も中国のEV攻勢には警戒感を強めており、イタリアで13日から開催のサミットでも中国への課税が議論されることになりそうだ。 欧州メディアによると、ボルボは成都で生産している「EX30」と「EX90」の両BEVをゲント工場へ移管、課税増回避に備えようとしているという。 同社は昨年、欧州市場向けのEX30を25年からゲント工場で生産予定と発表しているが、中国からの生産移管となれば、同社モデルで最小のEX30を全量ベルギーで生産ということになる。 ボルボの一連の動きについて、同社スポークスマンは「欧州委員会の調査を注視しており、決定まではコメントできない」と述べている。
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