台風で規格外のマンゴー、グミに セブン-イレブン商品化 デジはる、冷凍保存の800キロ供給
セブン&アイ・ホールディングスが台風などで規格外となった県産マンゴーを使った「セブンプレミアム チョコっとグミ 沖縄県産マンゴー味」を2日から全国販売している。原材料の冷凍マンゴーを供給するのは、IT技術で農家の農作物栽培と販売を支援している「デジタルはるさー協同組合(デジはる、新垣裕一代表理事)」。廃棄されるはずだったマンゴー計800キロが新たな商品に生まれ変わった。全国のセブン-イレブンなど約2万2300店舗で100万個を取り扱う。(政経部・銘苅一哲) 【写真】オリオンビールのロゴなどをあしらった「OKINAWAミント缶」 昨年7~8月に接近した台風6号は、沖縄本島地方に1週間以上も影響を及ぼした。マンゴー農家では接近前に収穫したことで規格外になったり、暴風で果実が地面に落ちてしまったりといった被害が出た。 同年2月に設立したばかりのデジはるは、救済措置としてこうしたマンゴーを農家から買い取り、冷凍した状態でネット通販での販売に取り組んだ。 セブン&アイ・ホールディングスの商品を開発するストロングハート(東京)が交流サイト(SNS)でデジはるの取り組みを知り、グミの原材料とすることを申し出た。 「チョコっとグミ」は、果物のピューレが入った一口サイズのグミをチョコレートで包んだ商品。シリーズ第1弾のシャインマスカット味は税込み108円で、発売当初から人気を呼んだ。 デジはるが供給した冷凍マンゴーは約800キロで、規格外のフルーツを使用する食品ロスへの取り組みはチョコっとグミシリーズとして初めてとなる。 新垣代表理事は沖縄の農業所得は年間で50万円を割り込み、高齢化で離農する人も多いと指摘。「デジはるは誰もが憧れる農業の形を創造することをビジョンに掲げている。毎年来る台風の被害を受けても新たな価値を生み出すことができる一例を作ることができた」と意義を強調した。 今後は、デジタル技術を活用し、農家のこだわりや作物の収穫時期のピークなどをデータベース化し、バイヤーとつなげる販路拡大への取り組みを強化する考えを示した。