マイクロン株急伸、強気の業績見通し公表-AI機器の需要好調
(ブルームバーグ): 半導体メモリーメーカーの米マイクロン・テクノロジーの株価が25日の米株式市場時間外取引で急伸。人工知能(AI)関連機器の需要を追い風に予想以上に好調な売上高と利益の見通しを示したのが好感された。
発表文によると、9-11月(第1四半期)の売上高は87億ドル(約1兆2600億円)前後になる見通し。1株利益は一部項目を除いたベースで約1.74ドルを見込む。アナリスト予想平均は、売上高が83億2000万ドル、1株利益は1.52ドルだった。
マイクロンなど半導体メーカーに新たな収益源となっているのは高帯域幅メモリー(HBM)だ。同技術は膨大な情報プールへのより迅速なアクセスを提供しAIシステム開発を支援する。需要が供給を上回っていることから、マイクロンは価格を引き上げ、長期の保証付き契約を確保することができている。同社は2024年と25年分の製品がすでに完売したと25日に明らかにした。
発表を受け、時間外取引で同社株は一時14%上昇した。他の半導体株も連れ高となり、エヌビディアは1%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は0.9%、ラムリサーチは4%それぞれ上昇。
6-8月(第4四半期)の売上高は93%増の77億5000万ドル。一部項目を除いた1株利益は1.18ドルだった。アナリスト予想平均では、1株利益は1.12ドル、売上高は76億6000万ドルと見込まれていた。
グローバルオペレーション担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、マニッシュ・バティア氏はインタビューで、マイクロンはより高度なメモリーを大量に安定供給した最初のチップメーカーであるため優位性があるとコメント。AIのソフトウエアとハードウエアの強化に各社がしのぎを削っており、そのプロセスでより多くのメモリーが使用されるため、同社は有利な立場にあると述べた。
マイクロンはまた、メモリー製品にとって二大市場であるパソコン(PC)とスマートフォンの需要低迷の影響から脱しつつある。同社によると、デバイスの出荷台数は再び増加している。これらの機器へのAI機能の搭載が増えるのに伴い、適切な作動にはより多くのメモリーチップが必要になるため、同社にはさらなる追い風だとバティア氏は述べた。