阪神 大型コンバートの是非
阪神の鳥谷敬が海外FAを行使して希望しているメジャー移籍の行方は、阪神に深刻な問題を投げかけている。鳥谷が抜けた場合、空いた「3番」と「ショート」をどうするかという問題だ。フロントも和田監督も鳥谷への残留要請を行っている手前、表だって、具大的なコンバート案を発動していない。だが、鳥谷退団は濃厚で、大型コンバートを行わねば「3番」「ショート」が埋まらない状況だ。 ショートのポジションについては、秋季キャンプで、大和のショートへの出戻りコンバートをテスト。高代・作戦兼内野守備走塁コーチは、「特級品。鳥谷を越える技術がある」とお墨付きを与えた。本人もショート用のグラブを発注するなどの準備を整えている。 その一方で、福留孝介がラジオ番組で「大和は(ショートに)いかないほうがいいでしょ。センターに置いておいてほしい。大和以上のセンターは12球団探してもいない」と発言するなど、センターでゴールデングラブを獲得した高い守備力を捨てるのは、勿体ないという議論もある。若手抜擢を求める声もある。だが、2012年のドラフト2位で光星学院から入団した20歳の北條史也が、今季ファームで74試合ショートを守ったが、その守備力も打撃力も、まだレギュラーを預けるには心もとない。西岡剛は、契約更改で「二遊間にこだわってやっていく」と意思表示をしたが、彼の肘の状態や守備範囲を考慮すれば、143試合ショートを任せるのは難しいだろう。 大和は、ただでさえバッティングに課題があるのに、守備負担の大きいショートへの再コンバートになると、そこに問題が出る。2番に固定するにせよ、終盤の代打も含め、143試合のフル出場は考えにくい。その場合、ショートのバックアップが重要になるだろう。 大和の出戻りコンバートでショートの穴は埋まるにせよ、問題は、3番という打順と、大和が動いたことで空くことになるセンターのポジションである。