「せっかくの復興やり直し…」嘆く被災者 河川氾濫に地震の影響指摘する声も
石川県の能登半島付近で21日に発生した大雨。能登半島地震の被災者らは、1月の地震に続く水害に「せっかくの復興がやり直しか」と嘆いた。半島内で多数の河川が氾濫している状況には「地震で地盤が緩み、被害を大きくしたのでは」との声も聞かれた。 【写真】「来ない方がいい」大雨で水があふれ、川のようになっている道路 同県珠洲市飯田町のいろは書店スタッフ、八木淳成さん（50）は「店舗前は冠水を免れているが、通りを１つ曲がれば水浸し。タイヤがまるまる水につかりながら車が走っており、同じ地域でもずいぶん違う」と周囲の被害状況を説明した。 元日の地震で自宅兼店舗は倒壊したが、向かいの場所を借りて仮店舗で営業している。八木さんは「周辺で土砂崩れがあったとの情報も入っている。地盤が緩んで被害が大きくなったのではないか。これ以上被害が大きくならなければいいが」と嘆息した。 また、同県輪島市の沿岸部に住む大向裕子さん（48）は「周辺の道路は水没し、仮設住宅は腰まで水がつかっていると聞いた。『様子を見てくる』と言って出て行った近所の人とも川の氾濫で寸断されてしまった」と話す。 この日は大雨の影響で「1時間に1回は停電する。下水も1回トイレが流れなくなった」という。今後について「せっかく復興している中、またやり直しかと心が痛む。孤立で食糧などの備蓄が足りるかも心配だ」と語った。
