日本の信用格付け機関、フィリピンの格付け「Aランク維持」の理由
好調に推移するフィリピンのインフラセクター
フィリピン中央銀行(BSP)は、2月に3回連続して、17年ぶりの高水準である6.5%の基準金利を維持しました。1月には、電子決済プラットフォームのGCashがIPO計画を発表し、市場環境の好転を待っています。 また、フィリピン証券取引所(PSE)、シティコア・リニューアブル・エナジー社が上場を第2四半期に延期するという決定をしたにもかかわらず、今年の上場企業数の目標である6社を達成することに楽観的です。特に修正PPP(Public Private Partnership:公共民間パートナーシップ)法が最終決定されれば、不動産、インフラ、銀行セクターには追い風となるでしょう。2023年に、マルコス大統領は、PPPの枠組みを合理化することを目的とした法案に署名しています。PPP法は、現在のビルド・オペレート・トランスファー法を修正し、国内および地方レベルのすべてのPPPに統一された法的枠組みを提供します。 また先月、インフラ企業・メトロ・パシフィック・インベストメンツ社は、サンミゲル社との合弁会社を今年中にIPOすることを計画していると発表しました。インフラと建設セクターは、PPPのスキームを通じた投資の増加が期待され、フィリピンの各産業、経済全体の成長を大きく後押しするでしょう。 マルコス政権のBBM(Build Better More)政策を通じたインフラ投資、都市化の促進、高い住宅需要などの要因が、このセクターの成長を促進していくと見られています。そして、AIなどデジタル変革が急激に進んでいるため、テクノロジーセクターのIPO期待が高まっています。デジタルサービスの普及の増加、技術インフラの進歩、テクノロジー製品の需要などの要因が、このセクターの成長と旺盛な資金需要を喚起しています。
家村 均