モラハラ夫が妻を体調不良へと追い込む「お決まりの会話」とは。嘘や隠し事が防衛術になり、離婚への秒読みが始まる
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。結婚前はいつも自分のことを認め、褒めてくれていた夫だったのに結婚後は真逆になってしまったことで悩んでいる女性は少なくありません。それがモラハラだとわかっても、経済的理由や子どもの養育の問題で離婚を決断できない方が多いのも現状です。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。 【データ】10人に1人が、配偶者からの繰り返しDVを受けている 今回は何を話しても夫は必ず否定するので、夫には何も相談できない、夫には何も言えないというS子さんのお話です。S子さんは夫の否定や文句や暴言に悩まされ体調までおかしくなってしまっています。
モラハラ夫は全てを否定する。それがわかるから妻は何も言えなくなる
S子さんは夫に「そうだね」「それは大変だったね」と言う言葉を言ってももらったことがないそうです。 「掃除機が壊れた」と相談しても「使い方が悪い」「普通の人は掃除機を壊すことなんてしない」とただ文句を言うだけ。決して解決するために手を貸してくれようとはしません。 「今日は体調が悪いから夕飯を作れなかった」と言っても「大丈夫か?」と言う心配の言葉はできてこないそうです。「主婦のくせに夕飯を作れないなんて主婦失格だな」「夫が疲れて帰ってくるのに自分の体調が優先か」と言い、思いやりの言葉とは程遠い返答ばかりだったそうです。 『色々なものが値上がりしている今、夫から渡されている生活費が足りない時も「お前が無駄使いしているからだ」と激怒されたのでもう夫にはお金が足りないなんて言えなくなっていました。私の独身の時からの貯金を切り崩して生活費に充てていました。母が入院した時も「俺は関係ない」と言い切った人なのです。夫婦なのに夫には何も言えない状態でした』 夫婦間の心理的安全性とは、お互いが自由に意見を表現し、感情を共有し、自分の心のうちを安心して話せる状態を言います。お互いを尊重し、理解し、思いやることが基本です。心理的安全性があれば、お互いに自分自身を偽らずに生きることができ、自分の想いを素直に言うことができるのです。しかしモラハラ夫がいる家庭では、何かを言っても否定、そして妻のせいにされるので自分の困っていることも相談できず、何か失敗をしたとしても夫に文句を言われるのが怖くて隠すようになっていくのです。