【詳報】PFAS問題、血液検査25日開始 岡山県吉備中央町、公費で全国初
岡山県吉備中央町上田西の円城浄水場から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、町は7日、町民の血液検査を25日に始めると発表した。公費での血液検査は全国初。対象は子どもを含む希望者ら808人の見通し。 13歳以上の検査は25日と27日~12月1日の6日間、町総合福祉センター(同町円城)などで実施。対象者に日時や会場を指定した検査券を郵送する。2~12歳は、町が予約を受け付け、12月1、8の両日に岡山市北区の小児科医院で採血する。PFASの血中濃度などを検査し、結果を来年1月にも郵送で知らせる。岡山大が詳しく分析する。 町は8~10月上旬、浄水場の水を継続的に飲んだ約2400人に健康調査票を配布し、血液検査を希望するか尋ねた。11月5日時点で18歳以上705人、2~17歳103人が希望した。 問題は昨年10月、浄水場の水から2020年度以降、国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム=ナノは10億分の1)の最大28倍に当たるPFASを検出したと町が発表して発覚した。町の有識者委員会は取水源上流に置かれた使用済み活性炭が「発生源と考えることが妥当」と結論付け、町は活性炭の保管企業に1億円超の損害賠償を請求している。 使用済み活性炭は既に撤去されているが、県のモニタリングによると、浄水場の取水源だった周辺の沢やダムからは今年10月時点でも暫定目標値を大幅に上回る濃度の検出が続いている。町は問題発覚後、浄水場の取水源を変更している。