放置竹林から純国産メンマ 豚骨ラーメン発祥の地にぴったりの特産品誕生 「美味しく食べて竹林整備」【福岡発】
純国産「高良山メンマ」の誕生
タケノコ以上、タケ未満の2~3mくらいに伸びた竹を切り、湯がいて塩漬けにする。作業は、毎年11月から2月にかけて竹林の整備を行い、春に土から出てきた竹を収穫する。 そして2年前に生まれたのが「高良山メンマ」だ。試食した記者は「シャキシャキした食感で柔らかく、えぐみも全くない。むしろ甘みを感じるくらいに美味しい」と絶賛していた。 渡辺さんは「高良山の土が赤土で柔らかいので、山の恩恵を受けて柔らかいタケノコができているんじゃないか」と話す。 3年目を迎える高良山メンマのために2024年は約700キロを収穫。「よく『メンマの概念が変わった』とか『タケノコの刺身を食べているようだ』という声も聞きます」と上々の評判に渡辺さんは自信を深めている。
竹で香りづけしたジンも登場
渡辺さんの取り組みは地域にも波及し、竹を利用した新たな商品も誕生している。久留米市で飲食店『Bottled Local』を営む高橋米彦さんが紹介してくれたのは、竹を使ったクラフトジン。その名も『Bamboo Gin(バンブージン)』。8月に発売されたばかりの新商品だ。「ジンはベースになるお酒にスパイスを漬け込んでそれを蒸留するんですが、蒸留したあとに高良山の竹に漬け込んで香りをつけている」と高橋さんは説明する。 高橋さんがバンブージンの開発を始めたのは渡辺さんの取り組みを知ったから。「なぜメンマを作っているんだろうと思っていて、そしたら放置竹林の整備を兼ねているということで…。そんな課題が地元にあるんだなとその時に初めて知った」と話す高橋さん。放置竹林問題について考えてもらえるきっかけになればいいなと期待を込める。 放置竹林問題の解決に向けた取り組みは、酒だけでなく工芸品や畑の肥料など様々な形で広がりを見せている。渡邊さんは2023年には、福岡県が主催する『福岡デザインアワード』で、放置竹林への取り組みが評価され銀賞を受賞している。 「自分たちが作るメンマをいろんな人に食べてもらいたいという思いと同時に、みんなで高良山、地元、久留米を綺麗に次の世代に引き継いでいきたい」と渡辺さんは次世代への強い思いを語った。 (テレビ西日本)
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