イスラエル軍、北部で活動の2旅団をガザに動員 ラファ侵攻準備か
イスラエル軍は24日、イスラエルの北部国境で活動していた予備役の2旅団をパレスチナ自治区ガザ地区に動員したと発表した。イスラエルメディアによると、イスラエル国防省は、ガザ最南部ラファから避難する住民を収容するためのテント4万張りを既に調達したといい、ラファへの侵攻準備の一環の可能性がある。 【写真】イスラエル総保安庁の拷問方法「バナナ」 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、イスラエルの計画について説明を受けたエジプト当局者の話として、イスラエルがラファから、イスラエル軍がほぼ制圧したガザ南部ハンユニスなどに市民を避難させる方針だと報じた。テントのほか、食料配給センター、野外病院などを設置予定だという。住民の避難には2~3週間必要で、その後の戦闘は少なくとも6週間は続くとしている。 米ニュースサイト「アクシオス」は24日、イスラエル軍のハレビ参謀総長らがカイロで、エジプトの諜報(ちょうほう)機関のトップらとラファ侵攻の可能性について協議したと報じた。 米宇宙開発企業マクサー・テクノロジーズが公表したハンユニスの衛星画像によると、数週間前には空き地だった場所に多数のテントが設営されているという。ただ、ガザ当局は「テントは現在病院に避難している住民を収容するためのものだ」として、軍事作戦とは関係がないと主張している。 ラファにはガザの人口の約7割にあたる150万人が避難している。イスラエルのネタニヤフ政権は、人質交渉が行き詰まる中、イスラム組織ハマスの「撲滅」のため、ラファに侵攻する構えを崩していない。一方、国際社会は多くの市民が巻き添えになるとしてラファへの侵攻に反対している。【エルサレム松岡大地】