7連敗で正念場のDeNA…ドラフト6位入団で「秋山翔吾と重なる」新星に期待が
きつかった高校時代の冬のトレーニング
梶原もリードオフマンとして大きな可能性を秘めている。大分で生まれ育ち、高校時代に甲子園出場は叶わなかったが、足腰を鍛えて身体能力を生かす下地を作った。週刊ベースボールでこう振り返っている。 「大分雄城台高時代の冬トレーニングはきつかったです。学校が少し丘の上で、駐輪場から校舎まで約100メートルの表坂と距離は短いけれど体感の角度が45度くらいある裏坂を10本ずつダッシュ。その後、朝は霜が降りていたグラウンドが昼頃には解けてぬかるむ中で、30メートルくらいタイヤを押して延々と往復。それが毎日。今までの人生で一番きつかったです。あとは、毎年恒例の砂浜50キロランニング。冬合宿を行っている場所の近くの海岸沿いに砂浜があって、そこの片道1キロの道のりを25往復。ほとんど一日かけて走ります。朝から自分のペースで走り続けて、途中からはもう走れないですけど歩いてでも前へ。もう二度とやりたくないと思うくらいきつかったです」
一軍初出場で猛打を発揮
神奈川大で1年春からレギュラーをつかみ、1年秋に打率.400、2本塁打で首位打者を獲得。スケールの大きい打撃で注目を集め、大学日本代表候補に選出された。DeNAにドラフト6位で入団すると、新人での一軍デビューは鮮烈だった。4月12日の巨人戦(那覇)に「一番・中堅」でスタメン出場すると、3回に相手エース・戸郷翔征から右中間へプロ初安打初本塁打を放つなど4安打の大暴れ。新人で初試合に本塁打を放ったのは、黒木基康、細川成也(現中日)に次ぐ球団史上3人目で、新人がデビュー戦で本塁打を含む4安打をマークしたのはNPB史上初の快挙だった。 その後はファームで実戦経験を積み、昨年はイースタンで打率.338、チーム最多の98安打を記録。格の違いを見せて一軍で定位置獲りを狙ったが、8月22日の広島戦(横浜)の初回のフェンス際の守備でジャンプした際に負傷して交代。「右足関節靱帯損傷」で長期離脱となったが、今季は一軍で躍動感あふれるプレーを見せている。走塁技術の向上や、選球眼を磨くなど課題も多いが伸びしろは十分。大分県は源田壮亮(西武)、甲斐拓也、今宮健太(ソフトバンク)、森下暢仁(広島)、内川聖一(元横浜、ソフトバンク、ヤクルト)ら球界を代表する選手たちを輩出している。梶原も大輪の花を咲かせられるか。 写真=BBM
週刊ベースボール